大倉順憲さんの日記
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2013
5月
10
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ジャン=ピエール・ダルデンヌ 、 リュック・ダルデンヌ 監督 「イゴールの約束」(DVD)を観て。
俺の「ダルデンヌ全作品上映週間」ラストを飾る。といっても、これだけTSUTAYAにはVHSでしかなかったので、後回しになっただけだけど。DVDになってない理由が少しは飲み込めた。他の作品から見ると、緊張感が漂ってない。(親父役の常連俳優を別として)主役の男の子かなあ…ちょいと段取りになってるんだよなあ。カメラワークも他のような緊迫感が見えないんだよなあ。唯一、黒人のアシタに抱きつくシーンだけは唸...
ジャン=ピエール・ダルデンヌ 、 リュック・ダルデンヌ 監督 「少年と自転車」(DVD)を観て。
まっすぐ走る少年の一途な背中。一心不乱にペダルをこぐ少年。母はすでにいなく、父だけとつながる血の濃さ。非情な父。週末だけの仮の母(若い頃のジェシカ・ラングにチョイ似)に反発という甘えでぶつかる。ラストシーン。木から落ちてフラフラと自転車にまたがり、仮母の元へ向かう姿に、何故か郷愁を感じた。 とにかく自転車が欲しかった。僕は。何故だろう。今考えると、ひとりで漕いで好きな所へ自分の力だけで...
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2013
5月
09
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立川志らく 「志らくのピン 古典落語編」(渋谷伝承ホール)を観て。
開口一番 あくび指南 らく兵 一、 長短 志らく 一、 反対車 志らく 仲入り 一、 代わり目 志らく 一、 親子酒 志らく
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2013
5月
02
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【『L.A.ギャング ストーリー』クロスレビュー】ルーベン・フライシャー監督(試写)を観て。の感想。
ギャングをやっつける影の軍団々長役の、ジョシュ・フローリン。出てきたら「あ、ニック・ノルティ、髪染めて若返った」かと思ったぞ。ちょい似。ホンモノのニック・ノルティは、影の軍団の元締めだった。老けたねえ。調べたら「ケープ・フィアー」から22年も経ってるのか。飲酒運転なんかやってるから、顔がむくんで巨大化してるんだ。(江守徹さんよりデカイ)でも、声が以前よりも増してハスキーになっとるから、シブさも倍増...
ジャン=ピエール・ダルデンヌ 、 リュック・ダルデンヌ 監督 「ロルナの祈り」(DVD)を観て。
これはイマイチでしたね。カンヌで脚本賞を獲ったかもしんないけど。「愛の物語」となってるけど、あまりにもエッジ過ぎて。金の事で信用がなくなった男とは絶交する。シャブ中の男には同情して(?)ヤッテ、子供を作る。その子供は想像妊娠かもしんないのに、また別の男から逃げるさいちゅうに、小屋に閉じこもって腹の子供と対話する。オカシイゾ!ラストは気が狂ったかと思った。ま、それでもイイんだけど。狂う手前が面白い...
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2013
4月
29
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ジャン=ピエール・ダルデンヌ 、 リュック・ダルデンヌ 監督 「ある子供」(DVD)を観て。
これにも圧倒された。どうやって撮ってんだろうか。芝居っぽいところが、どこにも見られない。本当、ドキュメンタリーのようだ(何度も書くけど)。子供を売ったことを告白するシーン。缶ジュースを掛けあってフザケルシーン。子分が屁をこいて笑うとこ。子分とひったくりをやって、池に隠れる場面、ラストの面会場での涙…どこも秀逸。恐るべしダルデンヌ兄弟。 そういえば、こんなすさんだ生活を送っていたことがあったっ...
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2013
4月
23
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ジャン=ピエール・ダルデンヌ 、 リュック・ダルデンヌ 監督 「ロゼッタ」(DVD)を観て。
またブッたまげたぞ。これ、ドキュメンタリーじゃないよね。役者が芝居してんだよね。凄い!どうやって撮ってんだ。ロゼッタ役の女優、スゴイスゴイぞ。池に落っこちるシーン、あれは本当に台本通りの芝居なのかね。おもわず身を乗り出して助けてやろうかと思った。DVDなのに。逆に、彼氏(?)が池に落っこちてしまうシーンは、彼女のアップ。うまい!恐るべし。ダルデンヌ兄弟。 ただ、ジャン・ジャック・べネックスに...
オリバー・ストーン監督 「ウォール街」(NTV)を観て。
87年公開かあ。バブル真っ只中だったんだなあ。確か新宿コマ近辺の映画館で観た覚えがある。マイケル・ダグラス、マーチン・シーン、えっ!いぶし銀の“コレクター”テレンス・スタンプも40代だったんだ、この頃。今の俺より年下かあ。こんな渋い芝居出来ネエよ、今の俺には。やはりビンボーが長いと、スーツと金持ちの役は難しいよな。 それにしても、チャーリー・シーンやマイケル・ダグラスの部屋の装飾と装飾品がダ...
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2013
4月
22
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ジャン=ピエール・ダルデンヌ 、 リュック・ダルデンヌ 監督 「息子のまなざし」(DVD)を観て。
しまった。こんなに緊張感あふれる…どころか、緊張感だらけの作品を見落としていたなんて。まだまだ映画通にはなれんぞ。冒頭のタイトル・ロールが無音。なんだこの緊迫した雰囲気は。ドキュメンタリータッチで進んでいくのだが、主人公が何故慌ててるのか、走っているのか、さっぱりわからない。普通の作品だったらここでもう、監督ひとりよがりの思いが強すぎて飽きてしまうのだが、ますます膨らむ話の展開への期待とスリル。...
THE COLLECTORS TOUR 2013 MOD TONE(新木場 スタジオ・コースト )を観て。
コレクターズ。確か15年位前に新宿リキッドルームで観たのが初参戦。先月のクアトロ。そして今回で3回目。レコ発ツアーのファイナルだ。観るたびにロックンローラーとしての円熟度が高くなる。構成のリズムが同世代だけに、ちょうど良い。加藤さんとコータローさんの掛け合いMCが冴える。(ツアーで同じトークをやってたのだろうか?完成度がすこぶる高い。まさにネタ!)アンコールの「おひねりチューインガム」と「皆でフ...
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2013
4月
18
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青山真治監督 「ユリイカ」(VHS)を観て。
死と再生。後半は、ロードムービーかあ。3時間半という長尺があっという間だった。光石研さん、イイなあ。ガッチリチャンネル入ってるなあ。ちょこっと出てる尾野真千子もイイ。青山真治監督作品、今迄見逃してたけど、これはいかん。全部観るぞ。ただ、宮崎あおいの役名が前妻と同じだったので、何故かノスタルジーを感じてしまうところがあった。なんだオレ。今だに未練があったのか。あてもないひとり旅に出たくなった。
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2013
4月
08
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森淳一監督 「重力ピエロ」(DVD)を観て。
伊坂幸太郎原作。緻密なホン(原作)だなあ…。よくもこんなことが頭に浮かぶよなあ。ただ、この映画は原作(読んでないけど)をかなり端折っているんではないか。そこら辺がイマイチだった。加瀬亮。一昔前だったら、映画の主役をハル顔立ちじゃないよな。でも、こういうのがいいんだよな。彼は、よかった。特に疾走シーン。小日向さんもいいぞ。ギリギリなんだけど押さえた演技がとても伝わってきた。
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2013
4月
01
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第16回 りゅう寄席 「桂才紫 真打昇進決定記念 落語会」を観て。
一、あくび指南 一、武助馬 中入り 一、阿武松
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2013
3月
28
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平山秀幸監督 「OUT」(DVD)を観て。
倍賞美津子、原田美枝子、西田尚美、室井滋。まあナイスキャスティングですよ。ヤクザ役の間寛平さんも、狙ったニヒルな芝居だし。ラストに出てくるトラックドライバー、吉田日出子さんも良い(彼女の笑いで救われた)。これ、確か10年程前にパルコ劇場で舞台化されたのを観ている。ヤクザの佐竹役が千葉哲也。夫殺しの主婦が久世星佳。そっちの方がオモシロかったな。ラストの二人のサス芝居がなんだかとても印象に残っている...
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2013
3月
25
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ピーター・イエーツ監督 「ドン・キホーテ~ラ・マンチャの男~」(DVD)を観て。
ジョン・リスゴーがドン・キホーテ。サンチョ・パンサはボブ・ホスキンス(これは適役だぜ!スーパーマリオだもんな)ジョン・リスゴーは制作にも係わってるから、これやりたかったんだろうな。名優ピーター・オトゥールが出来たんだから、俺にもやらせろと。 ドン・キホーテは、日本ならさしずめフーテンの寅さんということか。寅さんには安住出来る家がないから結末を迎えられなかったけど、これ男の、いや俺のロマンだなあ...
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2013
3月
22
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野火明監督 「蟻が空を飛ぶ日」(新宿K'sシネマ)を観て。
ん~。主役以外の出演者の淡々とした台詞回しは、ときどきドキッとするほどハードボイルドと緊張感を感じるのだけれども(「0課の女 赤い手錠」の杉本美樹のように)、ほぼ全編そうなので如何なモノかと。あえてそういう演出なのか。地下牢に閉じ込められた女性2人のテンション芝居って…観客が「ああ、やっぱりこうなんだ」とか「へえ、そうなるのか」と思わせるぐらいのが欲しい。説明台詞が多い。10年掛けて制作されたの...
入江悠監督 「SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」(DVD)を観て。
おうっー!こうきましたか。いやはや。こういう展開なんですか。快作、スマッシュヒットといえる1作目。女子ラッパーを描いて、お見事だった2作目(主役のコンニャク屋の女の子がスゴク良かった)。たいてい3作目は「おやおや…」と来るところが、サイコーじゃないですか。よくある青春の夢と挫折物語ではなくって(それも好きなんだけど)、ギリギリのところに落ちてしまうMCマイティーさん、とてもイイぞ。ラストシーンが刑...
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2013
3月
19
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オーストラ・マコンドー公演「素晴らしき哉、人生!」(吉祥寺シアター)を観て。
フランク・キャプラ監督、ジェームズ・スチュアート主演の同名映画が原作。 ほとんど原作の映画通りのストーリー展開、いやセリフまでもほとんど同じに思えた。 舞台は舞台にしか出来ないことを、映画には映画にしか出来ないことを。TVドラマしかり、ラジオしかり。というのが俺が常々から何かを制作する際に肝に銘じていることだ。著作権の関係で、あまり改訂出来なかったのだろうか。もう少し、演劇ならではの展開...
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2013
3月
18
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クエンティン・タランティーノ監督「ジャンゴ 繋がれざる者」(新宿ピカデリー)を観て。
どうした、タランティーノ。あの「レザボア・ドッグス」「パルプフィクション」「フロム・ダスク・ティル・ドーン(監督じゃないけど、脚本と出演)」の切れ味はどこへいった。血しぶきドバーッ!ばっかりじゃないか。もっと男のドラマを書いてくれよ。別れたカミサン捜して三千里じゃ、メロドラマじゃないか!2時間45分は長過ぎる。2時間以内で語ってくれ。
エドワード・ズウィック監督「戦火の勇気」(TX)を観て。
デンゼル・ワシントン…相変わらずそつがない演技。メグ・ライアン…お色気無しもなかなかいいもんだ。ルー・ダイアモンド・フィリップス…これ、イイ!助演男優賞を差し上げる。マット・デイモン…よく減量したなあ。 でも、戦争に関わった人たちの屈折した思いは、なかなか伝わりにくいもんがあるなあ。やはり戦争もんは苦手。