ウィレム・ラチュウミアのソウルでの2つのコンサートを聴きに、ちょっとソウルまで、来ています。ソウル・フィルハーモニーのARS NOVAというシリーズコンサートで、ひとつはオーケストラのコンサート、もうひとつは室内楽とピアノソロのコンサートです。
まずは6月13日、LGアーツ・センターで行われた「異国の色彩」と題されたコンサートでは、ウィレムは、メシアンの「異国の鳥たち」、韓国の作曲家ウンスク・チンの「ピアノ協奏曲」に登場。
なーんていうんだろ?「いともやすやすと」ピアノを弾くひとです、このひとは。メシアンの小鳥のさえずり、さんざめく音とリズムを、なんとも楽しげに、鍵盤に指を走らせ、奏でてしまう。おそるべきリズム感。
CDを聴いたとき、ウィレムが、ジャズでなくエレクトロでもなく、クラシックと呼ばれるジャンルに属しているのは、偶然に過ぎないと思ったけれど、生ウィレムのステージの上での身のこなしを見ていると、彼がサッカー選手でなくダンサーでもないのもまた偶然に過ぎない、ような気がしてしまった。
身体能力の高さを感じさせるピアノの響き(なんやそれ?)。
「グランドピアノをトイピアノのように弾く男」。
ウンスク・チンのコンチェルトは、抽象的で断片的な曲想がつぎつぎとあらわれる混沌とした印象の曲で、ウィレムはやはり楽しそうにピアノをひいていた。
ソウル・フィルも、とても誠実な演奏をするオケで、好感がもてました。
ステージでウィレムくんは、なぜか両手をあわせておじぎをする。その手がやたらと大きいことが目につく。コンサートのあと会いに行き、手を比べさせてもらったら、やはりやたらとでかかった!