2008-06-26

ラチュウミア聴こっ! 07 散歩・道草  la promenade en attendant leurs arrivées このエントリーを含むはてなブックマーク 

ウィレムを含むリヨンの連中は、今頃は飛行機の中、明日の午前中には日本に到着。こちらは、まだ準備に追われていて、こんなことでいいのか?とか思いながら、現実逃避でブログに向かう(こんなことでいいのか?)。

現代音楽のコンサートは大変(集客的に)とは思っていたけれど、しかしここまで大変とはね…。「おされなコンサートね」とか「いくつも聴くのはツライ」とかいわれてみたり、なんだかスノッブでおハイソで難解なイメージを持たれたり、するのであろう。

フランス人の友達が言いました。「世の中には2種類の人間がいます。チーズの皮を食べる人と、食べない人。あなたはどっち?」(チーズの皮って、周りの固い部分のことね)。ワタシは当然のように食べると答え、友達も食べる人、その彼氏は食べない人でした。これは、結構、応用がきく。「世の中には2種類の人間がいます、自分の知らないコトに出会うのが好きな人、きらいな人」とかいう具合に、チーズの皮は変幻自在なのである。そして、世の中には、チーズの皮を食べない系の人のほうが、多いのであった。

昨年秋、「カリン・レヴァイン(fl.) & ローハン・デ・サラム(vc.) デュオ・コンサート-20世紀の現代音楽と現在」というコンサートにいきました。プレーヤーのことをあんまり知らないオイラは、何も知らずに、チケットが安かったから行ったのだが、このローハン・デ・サラムの演奏にぶったまげて、よくよくプログラムを見たら、すごい人なのね、この人。カザルスに師事していたり、ついこないだまで、アルディッティのメンバーだったとか(アルディッティ・カルテットも、去年たまたま来日コンサートに行くまでワタシは全然知らなくて、聴いてから、この人たち上手だねぇと、すっとぼけてしまった)。

しかし、今書きたいのは、すごかったローハン・デ・サラムのことじゃなくて、カリンさんのこと。カリンさんはアメリカのフルーティストで(この人もすごい人かもしれません)、現代音楽バリバリの人です。で、こんなことを言っていました(いかにもアメリカーンなトークで。以下は通訳の内容のうろおぼえな記憶。)

「現代音楽を、どうやって聴けばいいのかと、よく尋ねられます。そんな時、私はこう答えます。ほかの音楽のように、メロディを追いかけて聴かないでください。森の小径を散歩するように聴いてください。森の中で、花やキノコをみつけたり、せせらぎに行き当たったり、小動物に出くわして驚いたり、そういうふうに音楽を聴いてみてください、と。」

あ、いかーん。かなり創作しちゃったかもしんまい。でも、キーワードは、「森を歩く」です。カリンさんの言いたかったことはそこに集約されてる(たぶん)。

この時のプログラムも、サーリアホ、ファーニホウ、ソハルなど、名前を声に出すだけでなんとなく嬉しくなってくる(こない?)作曲家が満載で、ワタシ的には、プログラムを眺めながらすでに森散歩人だったのですが、こういうことを、コンタンポラーンの最先端の人が言ってくれちゃうのって、イイヨナ、と思ったのでした。しかつめらしく難解な注釈をつけて「理解せよ」みたいなんじゃなくてさ。「いやそんなコムヅカシイもんじゃなくて、散歩よ散歩!」(カリンさんごめんなさい、あなたの発言に私はかなりバイアスかけてます)。

そういうわけで、みなさん! まだ間に合います!!
ウィレムの森をお散歩しませう。
レ・タン・モデルヌの森もございます。
道に迷って遭難するのもまた一興…。
(そういえば、リヨンの連中は、日本に着いたら時差解消のために散歩するー!といっている。)

オイラは27日にリヨンの連中とご対面します。ウィレムにインタビューできたら、また日記に掲載しますので、乞うご期待!

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