2008-06-26

『僕の村は戦場だった』他 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 先週は特に心身共にいろんな意味で最低だったけれど、今週は先週よりは涼しいこともあって割と調子がよく、夜型とは言えそれなりに規則正しく過ごし、勉強も進んでいる。頭も筆も復調。…まあ元々あんまりよくないのでは?というのはさて置き(苦笑)。

 今日は夕食後近所の下高井戸シネマの『白夜映画祭その二ーーロシア、グルジア、そしてパリーー』へ。観たのは『僕の村は戦場だった』(原題“ИВАНОВО ДЕТСТВО”、監督:アンドレイ・タルコフスキー、出演:ニコライ・ブルリャーエフ、ソ連、一九六二年、モノクロ)。

 粗筋等は、以下のURLを参照。

 http://www.imageforum.co.jp/tarkovsky/bknmr.html

 http://ja.wikipedia.org/wiki/僕の村は戦場だった

 名前は知ってはいたものの、実はタルコフスキーの映画を観るのは記憶にある限り、これが初めて。四五年も前の映画だし、ロシア語が全く分からないしキリル文字も読めないので、上映開始当初は入り込めるか不安もあったのだけれども、幸いにも杞憂だったよう。

 主役格はソ連領内に侵攻してきたドイツ軍によって父母も妹も殺されて、復讐心に燃えてソ連軍の偵察任務に従事する少年。彼以外の主な登場人物は、前線の塹壕に勤務する生真面目な感じの若い赤軍将校、女好きで世慣れてはいるが同時に勇敢さと賢明さも併せ持つ中年の赤軍将校、中年の朴訥な兵卒、彼等の上司に当る中佐、そして線の細い若い女性の衛生兵(将校)。

 映画は基本的に、(一)少年の、開戦前の母親やガールフレンド(妹?)との輝かしく幸せな夏の思い出、(二)常に死と隣り合わせの、ドイツ軍と対峙する最前線の塹壕、(三)赤軍によって占領された、戦争集結直後の破壊されたベルリンの、三つシーンから構成される。(一)と(二)が何度か互い違いに流され、そして最後の(三)のシーンで少年と二人の赤軍将校が結局独ソ戦でどうなったかが明らかにされる。

 (一)のキラキラした、ハッとする程の幸福感と、(二)の陰鬱さと緊張感の対比がまず印象的。それによって、なぜ十歳にも満たないであろう少年が極めて危険な偵察任務を、周囲の兵士達が驚く程執拗に自ら志願するのかが分かる。また、下高井戸シネマから貰った作品紹介では「派手な戦闘シーン」はないと書かれていたが、赤軍の塹壕が対峙する対岸のドイツ軍から激しい砲撃に曝されるシーンは観ているこちらがドギマギする程迫力があった。

 終映は十一時過ぎ。ポツポツと雨が降り、Tシャツとショートパンツではじっとしていると寒いくらい。

 ところで映画を観ていてふと思ったんだけど、僕はいつ頃から夏が楽しみではなくなったんだろうか…。

 明日明後日とマンションの向かいの部屋が改修工事をするようで、午前中に騒音で叩き起こされて寝不足が不安。今日明日は出来るだけ早く寝よう。明日も夕方映画を観に行く予定。

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知世(Chise)

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