2016-12-28

全日本選手権(無良崇人の) このエントリーを含むはてなブックマーク 

結果的に3位に落ちた無良崇人に取っては「今までで一番悔しい全日本」になったそうだが、
私に取っては、ショートの『ファルーカ』の、
あのフラメンコの靴を踏み鳴らす音だけで踊り抜いた見せ場があまりにすばらしかったため、
フリーの演技にも最初っから引き込まれてしまい、
実のところ、後半でジャンプが乱れたのもあまり気にならなかった。
また、アナウンサーがクライマックスに合わせてうまく盛り上げること言うし。

で、その後はその時に使われた、ラフマニノフのピアノ協奏曲ばっかり聞いてます。
使ってたのは第2番だけど、
私の持っているCDはNAXOSのラフマニノフ自身の演奏による、2番と3番が入ったものなんで、
必然的に3番も続けて聞いているが。

フィギュアは使用曲をけっこう勝手に切り張りしているものだが、
その編集の仕方も自然で、流れを損なわないでよかった。
ちゃーんと第一楽章の重た~い出だしから始めて、観客の手拍子を呼び込めるリズミカルな部分を取り入れ、第一楽章の締めでじゃん! とフィニッシュポーズしていたし。

実はこのCD、自分が持っていたことも長いこと忘れていて、
というのも、ラフマニノフは元々好きだが、いずれの作曲家の場合でも、ピアノソロが好きなんで、
オーケストラの混じっている協奏曲はどうにもなじみ切れず、
買ってはみたもののそれほど聞き込まずにお蔵入りしていたのだが、
今回、無良崇人がその全身で表わしてくれたもののおかげで、非常に自分の心身にもしっくりくるものになった。

この協奏曲って、こんなに私が好きになれる曲だったのか。
というわけで、書いたとおり繰り返し繰り返し聞いていて、
聞いていない時には常に頭の中で鳴り響いている状態で、ここ数日はほぼずっと一日中ラフマニノフのピアノ協奏曲漬け。

発見とは常にこのようにかつてあったものの中から掘り起こす行為だ。
過去に揺さぶりをかけるように。無意識の中に眠っているものを呼び起こすように。

この曲(いや、振付?)は無良崇人の大きめな手に実によく合っていると思う。
しかしこんなに踊りとしてよかった、とばかり書くと、
技術があってこそのフィギュアスケーターとしてはおもしろくもなんともないかもしれないが、
でも、不完全でもこれだけ見ている側に伝わってくるものがあるのだから、
いつかまた、無良崇人自身にももっと納得のいくヴァージョンで、あの『ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番』を見せてもらいたいと思う。

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Reiko.A/東 玲子

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“human/cat also known as Nyanko A 人間/ねこ。またの名をにゃんこA”


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