2017-08-05

衣伏の役作り(月光) このエントリーを含むはてなブックマーク 

こんにちは。夏なのにたまに涼しい日もあって体調管理が大変ですね。団長です。

さて月光について今だから話せる事第2弾でございます。

今回は完全に私個人の事になってしまいますので、あらかじめご了承くださいませ(^^;)

前回お話したように、月光の作品は過去何度か公演を試みたものの何度か中止になっている作品です。
私は「衣伏」の役に興味があり、過去中止になった時の配役はすべて「衣伏」。そして皮肉にも初めて公演できた時の配役は「姫」でした。

もちろん姫は姫で信念を持ったかっこよさがあったので好きでした。
でも簡単にできそうで実はかなり難しい役「衣伏」はどうしても元台本のままいつかやりたかった。

そして過去とだいぶ団員が入れ替わり「月光をやりたい」と声が上がった時には、今度こそ衣伏をやりたかった。
そしてそのチャンスが現実のものとなり、また公演が中止になるんじゃないかと常に不安と戦いながら稽古を重ねてきました。

でも現実は厳しいもので、半年間は演出が他の作品の演出や出演で、月光を見てもらう事ができませんでした。つまりその間は私が代わりにベースを作らなければならなかった為、自分の稽古は皆無。
途中、相方のうるっしーは他の作品出演の為一時月光を脱退。メインキャスト以外のキャストの入れ替わりも激しく、その度そちらを優先。

自分の役作りがまともにできずに半年が過ぎてしまいました。

ようやく演出が月光を見てくれるようになってからも、作りが甘いという評価で作りなおし。
殺陣も沢山ある為、どうしても私のシーンは後回しになりがちでした。

まともに稽古ができるようになったのは本番1か月ぐらい前。この頃は相方のうるっしーがまだ私にかなり遠慮して芝居をしていた頃でした。
そんな彼に「遠慮しないでガンガンきて!」とかなり無神経な発言をしてしまったことを今でもハッキリ覚えています。
でも家に帰って
’’何故2人に距離ができてしまうのか’’
を冷静に考えたら、大きな原因が自分にある事に気付きました。

もう、恥ずかしいやら情けないやら…涙が止まりませんでした。

次の稽古日の帰りにきちんと謝り、お互いちゃんと話す機会を設けました。
長年芝居をしているのにもかかわらず、恥ずかしながら正しいコミュニケーションを取ってこなかったのです。
本番間近ではありましたが、うるっしーとのコミュニケーション作りは「衣伏」の役作りにも私の役者としての成長にも大きく影響しました。
そして「衣伏」をやるなら、どうしてもやってみたかったある役作りに挑戦。

役者さんってだいたいがその「役」に近付く(なりきる)か、その「役」を自分に近付けて「自分」が主体となるか、どちらかで演じる人が多いと思うんですね。
私はどちらかというと後者で、私の役作りはいつも2〜3割「役」のバックボーンを活かして7〜8割自分で演じるというスタンスでした。

でも「衣伏」という役は、そんなに簡単に演じられるものでは無いとずっと思っていましたし、どちらかというと「衣伏」をちゃんと存在させてあげたかった。

だから私の今回の目標は5:5だったのです!
これがまたこんなに大変な事だとは思いませんでした(^^;)
5:5が目標なだけで、実際は4:6で役に自分を持っていかれる時もありましたからね。

そうすると何が起きるか…はい。当然のように情緒不安定になります。
役者の自分が一番怖かったのは、稽古中に感情が「無」になってしまう瞬間でした。
これって、役者やってる者としてはかなりの恐怖なんですよ(^^;)
何故「無」になってしまうのかは分からないのですが、初めての試みでしたし、慣れない状況に感情がパンクしてしまったのかもしれませんね。

こんな事、公演終わってからじゃないと「余計な事すんな!!」と演出に怒られそうで話せません(笑)
今だからこそ話せるネタです!

でも私は、最終的にはこの目標が達成できて本当に満足しています。
「衣伏さん」をちゃんと存在させてあげることができたのが私は凄く嬉しいのです。
かなり苦しみましたが、今までの私は、そんなつもりがなくても役者として楽をしていたのだと思います。

これを期に、これからも役者としてどんどん成長していきたいです(//∇//)

キーワード:

千葉 / 劇団 / 公演 / 芝居 / 船橋


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ozking

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“劇団十夢は千葉県船橋市を活動の拠点とした劇団です”


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