2019-03-24

モロッコのカサブランカで開催されるヴィデオアートの国際フェスティバルに選出され、拙作『ぽんぽこマウンテン』『タッチストーン』の2作品を出品いたします。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

モロッコのカサブランカで開催されるヴィデオアートの国際フェスティバルに選出され、拙作『ぽんぽこマウンテン』『タッチストーン』の2作品を出品いたします。今年で25回目となる歴史のあるフェスティバルです。2作品ともアフリカでの初公開となります。会期は、2019年4月22日(月)〜4月27日(土)です。どうぞ宜しくお願い致します。
http://www.fiav.ma/
https://www.facebook.com/fiavbenmsik/

吉田孝行作品『タッチストーン』
(撮影・編集:吉田孝行/2018年/10分/HD/16:9/カラー&白黒)
日本のとある庭園に置かれている白い色の大きな丸い石。大理石の彫刻作品であり、その上に子ども達はよじ登って遊んでいる。「自ら子ども達のために仕事をする芸術家は、間違いなく普遍的なものにまで達するのだ」というフランスの映画批評家アンドレ・バザンの言葉に着想を得て制作された。本作はまた、アンドレ・バザンが論じた映画と他芸術との美学的共生の可能性を、彫刻を対象として探求した映像作品でもある。

吉田孝行作品『ぽんぽこマウンテン』
(撮影・編集:吉田孝行/2016年/10分/HD/16:9/白黒)
日本のとある公園に設置されている白い色のエア遊具。雪山のようなトランポリンであり、その上で子ども達は、ぽんぽこ飛び跳ねて遊んでいる。曲線のあるユニークな風景の中で、無邪気に遊んでいる子ども達の姿を、動画と静止画の組み合わせで表現したモノクロの映像作品。「子供心を失った者は、もはや芸術家とはいえない」という彫刻家コンスタンチン・ブランクーシの言葉に着想を得て制作された。

拙作はいずれも、ドキュメンタリーという言葉から想起されるある種の定型を刷新することを意図して、以下の基本コンセプトに基づいて制作されております。①特定の人物や集団あるいは事象を追わないドキュメンタリー、②他者の苦しみや困難あるいはそれから派生するドラマ性に依拠しないドキュメンタリー、③人間を撮るのではなく、人間もその一部にしか過ぎない「この世界」を撮るドキュメンタリー、④映像の記録的価値に依拠しないドキュメンタリー、⑤時間の経過から派生するドラマ性に依拠しないドキュメンタリー、⑥映像の言語情報伝達機能に依拠しないドキュメンタリー、⑦未来の仮象としての子ども達の姿を通して未来を記録しようとするドキュメンタリーです。

【吉田孝行プロフィール】
1972年北海道生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程終了。映画美学校で映画制作を学ぶ。東京フィルメックス2014でアジアの映画人材育成事業「タレンツ・トーキョー」のコーディネーターを務める。ドキュメンタリー専門誌「neoneo」の編集に携わる。共著に『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』(森話社)など。近作『ぽんぽこマウンテン』(2016)が、ジョグジャ・ネットパック・アジア映画祭、サラミンダナオ・アジア映画祭、デトモルト国際短編映画祭、マドリード、モスクワ、コペンハーゲンのヴィデオアート展など、20か国以上の映画祭や展覧会に選出されている。イラク北部クルド自治区で開催されたスレイマニヤ国際映画祭2017で審査員を務める。世田谷区子ども基金助成事業「こどもドキュメンタリー教室」主宰。近作『タッチストーン』(2017)が、ジョグジャカルタ国際ドキュメンタリー映画祭、パルヌ国際映画祭、イスタンブール国際実験映画祭など、10か国以上の映画祭や展覧会に選出されている。新作に『アルテの夏』(2019)や『モエレの春』(2019)など。

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【関連記事1】http://www.rudaw.net/english/culture/03102017
【関連記事2】http://www.cinematoday.jp/page/A0005386
【関連記事3】https://jp.sputniknews.com/opinion/201611042976112/

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吉田孝行

ゲストブロガー

吉田孝行

“映像作家。これまで世界30か国以上の映画祭や展覧会で作品を発表している。近作に『タッチストーン』『エイジ・オブ・ブライト』『ある日のアルテ』『ある日のモエレ』など。共著に『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』など。”


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