CONTINUE vol.41の「11年目の少女革命ウテナ」の特集を読んで、いてもたってもいられなくなってテレビシリーズ全39話を見ている。
「少女革命ウテナ」は「エヴァンゲリオン」の一年後放送された作品で、さいとうちほの漫画と連動してスタートしたメディアミックス作。昔の少女漫画を過剰にした宝塚な世界観と、後半の怒涛の展開が明らかに異色作。
あの頃感じていた変態性は10年たった今見ても同じで、とにかく全てが過剰。行き過ぎている。最終的に、はだけた王子様がオープンカーのボンネット(!)に乗って夜道を走りぬけ薔薇が散りはじめた所から「これはもう、イカレタものとしてとらえよう」と思った中学生の私は正しかった。
改めて、幾原邦彦監督のことを調べてみると演劇が好きで、しかも天井桟敷の名を真っ先に挙げるような人で、それゆえJ・A・シーザーが「絶対運命黙示録」なんてゆう、子供心にトラウマ的に残る合唱曲を作ってたりしたんだということに辿り着いた…。演出も独特で、まさに演劇的であるんだけど、作画でいけばおそらく非常に枚数が少ない。漫画のコマを思わせながら構図のおかしな静止画を多用している。
さらに恐ろしいのは、この監督は「美少女戦士セーラームーン」の監督で…。世の中の女子の大半がセーラームーンに夢中だったと信じたいですが。当たり前に見ていたあのアニメも「変なストーリーだな」と子供心に思っていて。幾原邦彦×さいとうちほの対談を読み、「アニメってのは生身の人間じゃない時点で、普通にかっこいい事をやっても駄目。さらにって思うと一周してああなる」とかなんとか言ってて。そうか、タキシード仮面様も一周してたんだ…。セーラームーンは劇場版が名作です。
幾原邦彦監督は現在はアニメから離れていて、中村明日美子の漫画の原作やってるようです。
唯一、最近だと「のだめカンタービレ」のOPを手掛けていて3DCGをいかにしてアニメーションに落とし込むかを実践していた。ウテナで3Dはあの決闘場の上空に浮かぶ幻の城のみだったと思うんだが、デジタル移行時期の90年代から技術も進んでいる。
もう一度、アニメやって欲しい。