2022-04-23

作・演出:鴻上尚史「エゴ・サーチ」(新宿紀伊國屋ホール)を観て。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 第三舞台を初めて本多劇場で観た際、カーテンコールで喜色満面ドヤ顔ガッツポーズの演出家が出てきた。鴻上尚史だ。芝居は面白かったのに、もうスッカリ台無しに思えた。あれ以来、<スタッフは舞台に出てきてはいけない>と胆に銘じている。35年程前だったか。確か、当時劇団員だった山下裕子にチケットを頼んだような覚えがある。なんだか古い思い出ばかりだなあ。

 『初演は12年前』とパンフに記してあったが、演出というか役者の体技表現が70年代、80年代の小劇場のまんまだ。いやあ、なんだか懐かしくもあり、ちょいと観ていて恥ずかしくもある。よくやらせるよな、ホンマに。それがまた全編に渡ってだ。大声で精一杯キビキビ動いている若い役者を観ると清々しく好感が持てるのだが、その反面、ちょいとでも気が緩められると、こちらもダレてしまう。でも、後半、押しまくりの鴻上演出で第4コーナーから突っ走った感じ。今、こういう演出が新鮮なのだろうか。もうオッサンは、ようわからんぞ。

 紀伊国屋ホールで何十回も芝居を観てきたが、誰も知らない役者ばかりの舞台は初めてだった。まあ俺が知らないだけだ。向こうも俺のことなんか知らないさ。あ、主演がジャニーズか。へえ。そうですか。さいですか。最後に演出家は出てきませんでしたね。よかった。よかった。山下裕子さん、お元気でしょうかね。いつだったか『相棒』に女将さん役で出てたのは観ましたよ。

 

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大倉順憲

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