2008-10-13

ラチュウミア聴こっ!14 新しいCD son nouvel disque このエントリーを含むはてなブックマーク 

まだ続くねー、ラチュウミア。新しいCDがリリースされました。フランスでは10月13日に発売。日本でもぼちぼち出るみたいです。

Impressões / Wilhem Latchoumia

 Heitor Villa-Lobos : Ciclo Brasileiro
          A Pròle do bébé
          Les Poupées
          Tristorosa
          As Tres Marias
          A lenda do caboclo.
 Mozart Camargo Guarnieri : Ponteio Nー30, 49, 50 / Toccata
 Alberto Ginastera : Danzas Argentinas
 Carlos Guastavino : Bailecito

今回は南米の作曲家の作品集です。エイトール・ヴィラ=ロボス(1887-1959)と、モサルト・カマルゴ・グァルニエリ(1907-1993)、アルベルト・ヒナステラ(1916 - 1983)、カルロス・グアスタヴィーノ (1912-2000)。

6月のリサイタルのアンコールで、この中のヴィラ=ロボスのLes Poupées『道化人形』とグアスタヴィーノのbailecito『バイレシート』を、聴かせてくれましたねえ…。

某CDショップのサイトを見ると、ウィレムのプロフィールが出てて、これがカルチエミュジコで紹介したプロフィールのパクリ。どうも、輸入元の販促リリースがそうなってるみたい。へー、そういうことするんだー…って感じで、別にいいですけどねー。カルチエのプロフィールに出てないことがひとつだけ書いてあって、「2008年6月に来日し絶賛を浴びた」だって。絶賛しにきたのかよー!おいっ!

このブログには書いたけど、あのプロフィールには、ちょっと間違いがある。
でも教えてあげないよっ、じゃん!(ポリンキー風)。
カルチエに出てるプロフィールも、こっそり訂正しちゃうもん。

前回紹介した10/15のパリでのコンサートは、このCDの曲を中心にプログラムが組まれています。そのコンサートのサイトに、ウィレムへのインタビューが掲載されていました。ちょっとふざけたインタビュアーですが、ウィレムはセンスよく切り返して、このCDのことも結構しゃべっています。このブログ読んでくれてる人には、教えてあげちゃうよ、じゃん!ってことで、以下に訳を掲載します。

【 Interview lunaire de Wilhem Latchoumia 】

◆◆ウィレム・ラチュウミア、あなたはよくクシャミをするの?
しょっちゅうだよ。それなしではすまされないんだ、それはぼくの性質の中にあるのさ。
 ※フランス語でatchoumeは "ハクション" くしゃみの音のこと。

◆◆なぜあなたは天気の悪いリヨンに住んでいるの、天気のいいアンティーユ生まれなのに?
それは、ぼくの好きな街パリとマドリッドの間の、よい妥協点なのさ。僕は古いリヨンの静かさを愛しているし、そこでぼくは誰にも邪魔をされるずに、朝の1時から仕事をすることができる。マルチニック、ぼくはそこをバカンスのためにとってあるんだ。家族、海岸…。

◆◆あなたの家族は音楽家ですか。
全然。ピアノを弾く母方の遠いいとこは別として。

◆◆あなたのCDのタイトル「インプレッソ」の意味は?
それは完璧な一致なんだ、このアルバムの最初の作品の組曲のタイトルと、この文化的に豊かな大陸へのぼくのインプレッションとの。そこの言語(スペイン語、ポルトガル語/ブラジル語)は魅惑的だ、それは太陽を歌っている。

◆◆あなたは、旅をするために、ラテンアメリカの現代作曲家の作品を踏査しているの?
そう、ぼくは南米には一度しか行ったことがなく、もう一度行くのが待ち遠しい。その全ての音楽は、ダンスの中からインスピレーションを汲み取っている。

◆◆作曲家ヴィラ・ロボス、彼は美しいヴィラに住んでいたの?
エイトールは、いたるところに住んでいた。ブラジルの家、パリの小さなアパートメント、彼がインディオに惹きつけられ、また伝統的な歌を採譜して時を過ごしたというアマゾンの森の中にさえも …もしそういうなら、太陽に輝くバルトークだ。

◆◆彼の音楽を説明してもらえますか?
豊かで、陽気で、時にメランコリックな音楽なんだ。ヴィラ=ロボスは言っている、「私はブラジルだ」と。そしてぼくは十分に彼に同意している。彼の音楽は、ショーロとサンバの交差点にある。またいくらかのドビュッシーの参照も。ひとは、しばしばそこに、アマゾンの森の深奥の音楽家を聴く。甘美なハーモニー、時として粗暴で、しかしいつも人間的で、最後にはいつも彼の個性と調和する。

◆◆彼はイイヤツだった?
そう、彼は全てであったと言おう。寛容で、だけど、人が逃げ出すほどのかんしゃく持ちで…いつも口に葉巻をくわえ…ひとりのいかした生きている人だった、ということさ。

◆◆彼は祖国ではスターだった?
はじめは違った。パリへの旅の後、ブラジルのスターになったんだ。彼は恵まれない子供達のための教育プログラムに貢献した。彼は、結局、彼の国に認められる前に、ヨーロッパの承認を待たなければならなかった。諺にもあるように、『故郷に入れられず』(身近な人に認められるのはむずかしい)だよ。

◆◆ところで作曲家ジナステラとは誰ですか?(できれば、彼の人物と音楽の情報を)
彼は、1916年ブエノスアイレスに生れ、1983年ジュネーブで死んだ。ヨーロッパではほんの少ししか知られていないジナステラは、アメリカでは音楽の重要な人物と見なされている、もっとも彼の評判は、アルゼンチン音楽の民衆的源泉を信奉した、最初の美的な方向づけで傷つけられたが。彼は、その音楽の中で、アルゼンチン民謡を直接的な方法で参照した。ムシカ・クリオーヤのように、ヨーロッパ風の出発地から、あるいはまたガウチョの伝統であるパンパの音楽のように。のちに彼は、とりわけ彼の2番目のピアノコンチェルトにおいて、アバンギャルドの影響を受けることになる。

◆◆では作曲家グァルニエリは?
1907年生まれ、1983年没。このブラジルの作曲家は、ケクランやナディア・ブーランジェとともに学んだ。彼はオーケストラの指揮者としての道を進み、ヴィラ=ロボスのように、インスピレーションを彼の国のフォルクローレから汲み取った。

◆◆グアスタヴィーノについては?
アルゼンチンの作曲家カルロス・グァスタヴィーノは、1912年に生まれ、2000年に死んだ。彼は、主として声とピアノのために書いた。彼はアバンギャルドたちの勢力圏外で、ロマン派でありつづけ、そして彼の国のフォルクローレから着想を得た。ぼくは彼をCDのなかで「アンコール」の場所においたんだ。そして友達の多くはそれをCDに入れることを求めた。ちいさなウインクみたいなものだね。

◆◆ヴィラ=ロボス、ジナステラ、グァルニエリ…彼らはお互いに知っていたの?
グァルニエリとヴィラ=ロボスは少し。(その友達アリシア・テルズィアンによると)かなり出無精だったグアスタヴィーノ以外は。ヴィラ・ロボスとその妻は、おいしいフェジョアーダのまわりに彼らを招いたんだ。

◆◆これらの作曲家の楽譜を見つけ出すのに苦労した?
はっきりいって、これらの国の経済状況はよくないし、楽譜を探すのはとても難しい。だけど、ブラジルとアルゼンチンの友達が、全ての作品を首尾よくみつけてくれたので、苦労はなかったよ。

◆◆彼らの音楽をブラジルかアルゼンチンの海辺で演奏したい?
アマゾンの森林が理想的だな! そう、ぼくは残念ながら、ブラジルをよく知らないんだ、そのまわり(ブエノスアイレス、パラグアイ、ヴェネズエラ)を旅したけれど。

◆◆どうやったら、ハード・トラッシュ・メタルのファンを、ヴィラロボスの音楽を聴きに連れ来れる?
ハンモック、カイピリッニャ、海岸、パラグアイの田舎で友達と一緒に…サウダージ(郷愁)さ!

◆◆世界をつくるために全てが必要?
そう、幸福と不幸と…。

◆◆全てをつくるために世界が必要?
たぶん…。

◆◆最近見た夢は?
ぼくが覚えているのはこれ…ミシマと議論しているんだ…

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