2008-11-17

演劇のもつ力を 「行動する力」に変える ~Care-Wave Aid~ このエントリーを含むはてなブックマーク 

個人の小さな「波」も、集まれば大きな「波」となり、社会の問題を変える力になる・・・
そう思えるすばらしいミュージカルでした。

14日、新宿文化センターで開催されたチャリティミュージカル「CARE-WAVE AID」Vol.3ー選ばれた大地アフリカーを観てきました。

アフリカに生きる人々を演じる役者が、数メートル先のステージで演じています。

生死をさまよっている子どもに、治療を受けさせてくれと、母親がなすすべのない医者にすがりつきます

反政府派の兵士に誘拐された少年兵が、「儀式」として自分の親を射殺するよう命じられます

撒き集めをしていた女性らが、兵士に射殺され、裸にされ、強姦されていきます・・・

といった目を背けたくなるようなシーンが、観客の数メートル先で演じらている・・・その迫力といったら、TVや映画の比ではありません。
ステージ上の役者の息づかいが伝わるということ。役者と私たちが、同じ空間を共有しているという状態は、描かれるアフリカの現状をリアルにし、本当に現場で流れる時間を疑似体験させてくれました。

映画やテレビでつかわれる「ズームイン」も「カット割り」もなく、演劇を見るものは自分の意思で、ステージの好きな部分に注意を注ぐことができる、という観るものの自由がある分、多様なメッセージを伝えたことでしょう。

アフリカについては書籍などで読んでいたので、 少年兵のことも、飢餓のことも知っているつもりでしたし、ステージを見ながら、何が起こるのか、という予想もつきました。
それでも、舞台の迫力というのはすごいもので、 泣かずにはいられないほど、心を動かされました。

そして、こんなに素晴らしいミュージカルが、ノーギャラなのか!?と疑いたくなるほど、心に訴える作品だったのです。

この作品を全身全霊で最高のものにしようという役者たちの気迫。
役者の顔を1人1人追いながら、この舞台に立つ彼らの情熱にも 感動せずにはいられませんでした。

そして、歌と踊り!
舞台の一角で、生バンドが演奏。 迫力のある音楽と、表現力豊かな踊り。
総勢50人(以上?)の人が、異なった動きをしながらも、 一つのまとまりのある、舞台を作り上げるという「芸術」に、圧倒されました。

当日会場で販売していたパンフレット(500円)には、 役者たちの「なぜCARE-WAVEに参加したのか?」というコメントが載っています。
これを読むだけでも、アフリカの将来に希望がもてます。

このパンフレットには、統計でみるアフリカ(難民の数、平均寿命など)が 地図と一緒に掲載されています。また、NGOの紹介も、写真つきであります! これいいですね。

観た人が、 ロビーでNGOの活動に触れることができたのはすごくよかったと思います。
ミュージカルを観て持った問題意識を行動に変えるための、選択肢が、そこにはあるのですから。

14日、昼と夜の2回の上演でしたが、ぜひ、他の地域でも上演できたらいいなと 思いました。 もったいないです!
どんな条件がそろえば、他の地域での上演が可能なのか、 CARE-WAVE関係者にお聞きしてみたいと思っています。

http://alterna.justblog.jp/blog/2008/11/care-wave-aid-2.html に掲載した感想文を途中まで転載しています)

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奥田みのり

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