2008-11-26

心が水のように動くための、心が火のように立ち上るための115分のエチュード このエントリーを含むはてなブックマーク 

冬の雨が降る。冷たい雨に打たれても、心を燃やしたい。
開かれた稽古場。世間は三連休の最終日らしい。あたしに休みはない。休んでいるいとまはない。それでいいのだ。
どんなに忙しくても、週に一度の稽古には集中して臨むことがあたしの使命だ。
開かれた稽古場。バスが混む。アスファルトに映る町並みが想像力を刺激する。
参加者6名。見学2名。今日は途中5分の休憩を入れて、115分の一連の流れにより、稽古を進行した。今日は結論から言えば、非常にいい作品になった。少人数のため、それぞれのダメはそれぞれに話して帰って来たので、一連の流れを書くこととする。本日、参加されていない方はこの流れに沿って、挑戦してみては如何?
参加者全員、誰でもない誰かになる。余計なものを削ぎ落とす。表情、感情、無駄な癖を削ぎ落とす課題。リアリズムと繰り返して言い続けているが、芝居には様式も重要である。表現すること、誇張すること、様式。全員に癖がありすぎる。さらに繰り返す。表情を消し、儀式的に歩く。表情の消し方、歩き方を指示してみる。繰り返すうちに抜けていくもの。それぞれの癖をアドバイスして、取り除く。繰り返す。表情筋が動かなくなっていく。動きの癖、姿勢の癖が抜けていく。手を入れて、それぞれの宇宙を持った、それぞれの俳優個となり、歩く。想像し、心を動かす。そして、佇む。俳優自身にどれだけの想像と宇宙が持てているか。俳優各自として、にほいたちたい。きっと俳優の心が埋まれば埋まるほど、俳優自身が魅力的になればなるほど、にほいも色も立ち上るだろう。手を入れていくのだが、瞬時に溶けていけるようになりたい。瞬間を大事にする。俳優業、それにつきる。手により、佇むが、そこに佇むという意思が見えないので、再度。ストップモーションではない、そこで立ち止まる意思が大事。次に心に宿るものを言葉、あるいは声にして発信する。何かを話そうとしなくていい。心をそのまま、声、あるいは言葉にする試み。それぞれから聴こえる言葉は意味を繋げなくても、心地よかった。N山さん、言葉にまだまだ頼り過ぎ。その言葉を発する必然、つまり、あなたの心からの発信でありたいね。S田くん、声、言葉が聴こえない。音声化してほしい。
手。舞台中央の箱。誰でもない誰かになり、その箱の中に入る。それぞれが次の手で意識、感情を持つ。閉じ込められている実感をする。しばし。
手。感情を声にする。ここでほしいのは、声。言葉はいらない。
連続して、感情を動かす。感情を変化させていく試み。ある感情から出発して、他者とのかかわり合いの中で感情を動かしていく、水のように。
感情が変わる瞬間への自覚、そして、観客席に伝わる瞬間。Kさわくんがよかった。2連発。感情を変えることを指示する。自然に動く感情をさらに極めていく試み。感情が動いた瞬間が伝わればいい。大げさな表現はいらない。
感情の変化を感じる試み。絶望感の感情表現。心に絶望感を持つ事。何に絶望しているのか、できるだけ明確にイメージしていくこと。
絶望感から他の感情が生まれてくるはず。今日はそこまでは至らなかった。
そのまま、殺意。殺意を持つ。殺意を実行する。殺意の実行が具体的でないので、コワくもなく、哀しくもない。想像力の実感である。
アドバイス、再度。それぞれに殺意を抱く瞬間、それが実行に移る瞬間、そして実行している時の感覚、どこまで辿り着けたか?見えているものとしては、かなりよくなる。続いて、殺意のみを心に持続して、指定された動きをする。アクティングエリアつらまでで立ち止まり、しばしの間。
動作を指定すると殺意の瞬間が見事に消失する。止めて、アドバイス、再度。
全員に瞬間が見えたが、Kさわくんがそこでまた何かをしようとしてしまう、余計なこと。Yきが瞬間のあとに形になる。殺意が持続していくと表情から余計なものが取れて、目だけが活きてきた。コワい。大げさではないが、殺気がたつ。Kさわくん、まだまだ何かをしようとしていたが。全員よくなったが、 S田くん秀逸。
そのまま、逆転させてみる。殺される実感。恐怖。舞台つらから。見えない相手からの殺気を感じた瞬間。逃亡。ぬるい。舞台奥から。背後からの殺気。感じる。逃げる。必死さが足りていない。取り乱す絵が見たかったが。
芝居で演じる死。軽くては絶対にいけない。
死を実感する試み。N山さんの余命2週間。全員でシーンドライブ。心がまだ実感をできない。これは可能性への縋りもわかるので、一概に間違いではない。N山さんは知らない。そこに身体の不調や周りの挙動からの反応が弱い。しゃべりすぎで、死が薄まってしまった印象。そのまま、死の3日前。身体の不調を指示してみて、開始。他の俳優から緊迫した空気が立ち上る。Yきのおどけた、気取ったプレゼントにN山さんが号泣する。とても自然な流れ。皆の気持ちが揺れ動いた。さらに、死の当日。死まで。
皆の言葉が少なくなっていく。そこに抱けた感情は何だったか?N山さんも他の俳優も想い出してみてほしい。死。そこに現れたものは、号泣ではなかった。M本の号泣はよかった。しかし、泣かない他の俳優もよかった。死への実感とはかくゆうものではないかと想う。
奇妙な部屋。何度か繰り返しているエチュード。自分の部屋の具体的な実感。そこにいる他者への反応。それぞれが埋まってきた。面白い。今回辿り着きたかった混乱まで。Kさわくん、S田くんが混乱し始めたので、止める。
混乱から破壊にいきたかったが、全員が混乱とはなれなかった。だが、破壊する。自身を壊して、壊して、壊してみる。表現としても成立させたいが、壊れていくことで、表現になる。できた。この先にあるものがみたい。破壊から立ち上がり、指示した動線。ある地点から息から声を増殖させる。四股移動。声と身体のバランス。息はだいぶ聴こえてきた。しかし、声が弱い。もっと。半端なところではない頂上にいきたいのだ。発声は日々の繰り返ししかないのだよ。
心身ともに自由になれたところで身体表現。音を身体に取り込み、表現する。
今日の音は素晴らしかった。音に対しての執着をやっとDちゃんに伝えることができた。音は素材ではない。共演者だという意識でいてほしいと。
全員よかった。表現も音も。予想しないまとまりが生まれた。そして、音も終わった。
最後に相関図。愛情表現から。N山さん、U杉くんから。愛情、抱擁。動きの訓練。感情の受け渡しと反応と動き。身につけてほしい。
今日の相関図はやっとシーンとして、劇的なものができた。さらに言えば、ナイフを持って入ってきたMもと、全員が迷いながらも立ち去ったあと、あたしは女を殺してほしかったけれど。それは、あたしの好みかな。
非常に満足な出来。それぞれが丁寧にシーンを創った成果。U杉くんが停まっている時間が多すぎて、もったいない。弊害は頭で考えていることだね。
感じる、反応する。それだけでいい。
いい稽古だった。積極的に挑む、掴む。この稽古場、最高だね。
しかし、まだまだ上を目指そう。
自由参加です。是非、参加して下さい。
何かを掴んだら、それはあなたをきっと芝居中毒にするのだから。
稽古を繰り返し、続けなれば、その快感は得られない。
どうぞ。

12月1日月曜日 18時〜20時
浅草橋 変態公民館

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劇団羊のしっぽ

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