2009-03-08

久々にみた男性向け映画 このエントリーを含むはてなブックマーク 

この映画はまだ公式サイトもオープンしていない。
そのためインターネットで予習をしてから見に行った。
IMDBでの評価点は5.6と低め。
中身をみると、男性評価者の点が女性に比べて高い。
また、若者の方が高く評価する傾向がみられた。
一番点の低いのは45歳以上の女性。
これは期待ができるぞと思った。(笑)

映画は、12年目の結婚記念日を祝うリミニとソフィアのシーンで始まる。
義母が、参集者に美男と美女のカップルだと自慢する。
皆の前で、結婚当初のリミニがソフィアに捧げる賛辞が上映される。
日本ではまずもってありえないシチュエーションで面白い。
だいたい、そんなストレートな愛情表現は日本では考え難い。
それを皆の前で映写するなんて思考の外である。
次に何が起きるのだろうと期待を持たされた。

リミニとソフィアは義母のフリーダに、他の人から知らされる前に話しておくことがあると言う。
義母が口にしたセリフは「赤ちゃんができたのね!」。
二人が告げたのは、「離婚します」。
周りからはうまくいっていると思われている二人の現実との乖離が強く印象づけられるシーンだった。
ちょっとしたエスプリも効いていた。

リミニとソフィアは幼馴染で、結婚してから12年で離婚するのだが、その理由は一切語られることがない。
何で離婚するのかわからないと思って不合理を感じたら、ここから先の物語は受け入れられないと思う。
そのあたりが、女性とくにやや年配女性の評価が低めになるひとつの理由であろう。

女性にはわからないかもしれないが、男なら良くわかる。
だいたい、リミニ(ガエル)のような男が一人の女で終わるわけがないのだ。
子供もいないし、ソフィアの束縛を逃れたくもなると思う。
男は播種本能、女は営巣本能などと言うとジェンダーフリーの観点からは怒られるかもしれないが。

離婚したあとも最後までリミニを追い求めるソフィアにたいし、リミニは女性遍歴をくりかえす。
「コレラの時代の愛」フロレンティーノの数百人、「エレジー」デイヴィッドの数十人ではなく、リミニは数人だから現実的。
これくらいだったらアリだよねと受け入れやすかった。(笑)
出てくる女優さんたちは、それぞれ生活感にあふれたヌードシーンを見せる。
体をはった彼女たちの演技も見所となっていた。
事務所の規制とかでなんだかな~という演技に終わる女優さんたちとは違う。

転変の果て二人は元の鞘に納まったように見えた。
が、ラスト近くに現れる謎の女のシーンで行く末が暗示される。

ガエルのファンで、ハッピーエンドを求めて見に行く女性からはたぶん不評であろう。
が、束縛を逃れられない普通の男からみると、よくわかる話。
できればあんな風に女性にもて自由に生きられたらいいなあと羨望をもって見終わる映画だった。

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