2009-06-19

スペインのかんしゃく玉、ベネロペ姐さんキレてます このエントリーを含むはてなブックマーク 

 映画に出てくるスケベな中年のオッサンって、どうして女の子にモテるんだろう。まあ、映画だって言えばそれまでなんだろうけど、同じくスケベな中年のオッサンであるワタクシからみたら、どうにもクヤしいではありませんか。
 
 ラテン系の芸術家って、それだけで確かにカッコいい気はするけど、それはもちろんビジュアル面だけではないんだね。ナニ考えてるんだか解らない危なさとか、女の子にヨワい情けなさと言うか。「それでも恋するバルセロナ」でコアとなる、ファン・アントニオが持つ魅力と言うのは、どうやらその辺なのかな。
 
 話はアメリカからバカンスでバルセロナにやって来た二人の女の子と、バルセロナに住むオッサンの画家との、ひと夏の出来事を淡々と描いた、と書いちゃえばそれまでという、映画としてはシンプルで解りやすいお話。出だしからしばらくの間は「本当にコレ、あのウディ・アレンの映画なのか?」と思うほど、なんかフツーの映画なんですけど(笑)。
 
 まあ、出だしの画面分割シーンの撮り方に、何となくそれらしさを感じるものの、シニカルで意地悪で、世の中斜めに構えてます的なウディ・アレンらしさをあまり感じない、「ひと夏の恋」的な明るいラブコメディなのだ。もっともウディ・アレンの撮る映画はほとんどがラブコメディなんだけど。
 
 とまあ、波風が少しだけ立つ平凡な映画だなあとか、少し思い始めた終盤に、来ましたベネロペ姐さん!。一度別れた元妻のクセして出戻りしてきて、イキナリ攻撃的でワガママでヤバいですこの女。モテモテのファン・アントニオもどうしていいんだかわかりません状態で狼狽するし。このアブなさは、危険な香りのするオッサンの比ではありません。
 
 いやあ、このかんしゃく玉というか鉄砲玉と言うか、散弾銃の連射のようなベネロペ・クルス演じるマリア・エレーナの持つ緊張感が、この映画をイッキに面白くさせてくれたです。もう画面見てても、いつブチ切れるのか、何がスイッチで破裂するのか解らないドキドキの連続で、やっぱ恋愛はこう言う危なさがあってこその楽しみなんだろうなあ、と感じたり。
 
 スケベなオッサンも、いちど別れたとは言え、元妻との緊張感あふれる生活がどうも悪くないらしい。危ない日常を楽しみながら生きている感じが見え隠れして、この辺の描き方は上手いなあと本当に思う。
 
 映画の前半は、堅実な彼と堅実な恋をしているヴィッキーの、アントニオとのイケない一夜に悩んだりする不倫的な話がメインだったのに、マリア・エレーナ登場以後の後半は、ヴィッキー嬢影が薄くなっちゃってほとんど出てきません。道理でポスターに写真も載ってないわけだ。
 
 ということでやっぱりウディ・アレンはイヂワルでした。ヴィッキーのようにフツーの男とフツーの女が、波風も立たないような恋をして結婚をして、それで面白かい?って言っているみたい。したがってこの映画は好き嫌い分かれるだろうなあ。
 
 平穏な日常、安全な色恋沙汰をブチ壊す、ほとんどキ○ガイのようなベネロペ・クルス姐に助演女優賞を送った、アカデミー賞の審査委員の方々も、やはり危険な恋に憧れてる部分があるんだろうな。
 
 といいつつ、ワタクシ自身は、カッコいいスケベな中年のオッサンってモテモテでいいなあと、羨ましく思ったのでした。
 

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