2009-07-10

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伝説のサルサシンガー、エクトル・ラボーの生涯をジェニファー・ロペス夫妻が映画化。
「この企画があがってから、エクトル・ラボー役はマークしか考えられなかった」とJ.LOが言うとおりマーク・アンソニーははまり役だった。
外見もよく似ていたし、歌唱も素晴らしいものがあった。
J.LO自らが演じたラボーの妻プチもこれまたはまり役で良かったと思う。
しかしながら、音楽映画は大好きでよく見ているが、この作品はその中では下位に位置づけた。
ちょっとメリハリが欠けている感じがしたのだ。
ストーリーは、下積み、デビュー、スターにのしあがり生活が乱れてといういつものパターンである。
全編にサルサ音楽がちりばめられているが、そのせいで劇的な人生の焦点がぼやけてしまった。
音楽はすこし後景にひいてドラマを充実させ、ポイントで音楽を入れる構成にした方が良かっただろう。
細切れの音楽と映像が多くて薄味になってしまったのだ。
悲しいはずの場面でも、サルサはあくまでもサルサで明るくて夢見心地で過ぎ去っていってしまう。
悲劇的な人生を描くには、あまり似合わない音楽ジャンルかもしれない。
エクトル・ラボーは、1970年代マディソンスクエアガーデンのコンサートで頂点を極める。
そのシーンの後に流される、いまは亡きバリー・ホワイトの“愛のテーマ”が一番印象に残る曲になってしまうようでは失敗と言わざるをえないであろう。
それにしても、ミュージシャンの人生は、ツアー、女、クスリ、エイズのワンパターンでなんだかなあと思いました。

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