2009-08-06

『未来の食卓』子供達に告発されない為に。。。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

映画の原題は: NOS ENFANTS NOUS ACCUSERONT:子供達は我々を告発するだろう

南仏はアルルの小さな村での学校給食をオーガニックにしようとの取り組みと、
自ら栽培し観察し摘み取り給食で食べるという事を通して、
オーガニック=自然のままである事、を食する子供達。そして親達。
最初は懐疑的でも日に日に生活に取り入れ、生き生きと食を味わい生活している。

一方 農薬を使う農業によって生活してきた農家の人々、
その結果、白血病や癌を発病する身内や地域住民達。(もちろん自分たちも)
宇宙服のような防護服を着て、農薬を調合し、トラクターを運転し、
花咲き乱れ蜜蜂の飛び交う農園に農薬を散布する風景はまるでSFのような現実。
その因果関係がどこにあるか分かっていても、そうした生活を変えられない事情。

需要があるから、安くて見た目のいい物の方が売れるから、
辛い農作業を少しでも楽に、いい物を作りたいから。
単純に善悪の問題では片付けられないし、消費者自身が選択し変わらなければ、
生産者達の意識も行動もすぐには変わらないし変えられない。
この映画は善悪だけで簡単に結果に結びつく問題ではないという事、
そしてお互いに対話し理解を深め、よりよい方向を探って行く事が大切であるという事を、
小さな村での1年の歩みを通して見せてくれる。

原題の文は、この前後に「もし今●●をしなければ」と続く
フランス語の文章の書き方である。
今からでも、自分たちが消費する物について、
食べ物に限らずもっとその出所から流通といった事まで意識して生活する事を
考える時期が来ているのだと思う。
子供達から告発されないように。

できれば親子で一緒に観て、その後で色々話し合って欲しい映画です。
ガブリエル・ヤールの音楽も叙情的すぎず、南仏の風景と小さな村の生活が
美しく描かれています。
おススメです!

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copine-m

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copine-m

“フランスのコミック;BD(バンドデシネ)に興味があります。”


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