2009-11-30

どこを切っても”大地の恵み”、この雄大さ! このエントリーを含むはてなブックマーク 

映像でこうやって旅行が出来るなんて、なんて素敵なんだろう。
自分にとって映画を見る理由は、時にこうした素晴らしい景色に巡り合う妄想旅行に、連れて行ってくれるから。予告を見た瞬間から、絶対見てみたい!と思っていた。だって、ボリビアの民族、ケチュアの人々の人生を間近に見ることができるなんて。そして、彼らと一緒に塩キャラバンの旅に出るなんて、めったにないチャンスだもの。

ドキュ・フィクションと呼ばれる手法で撮影されていった本作。基本となるストーリーをベースに置き、その場の思いつきや偶然の天候まで、即座に取り込んでいく、きわめてドキュメンタリーに近いテイストで描かれたのだという。
まるで、彼らの姿をただカメラが追い、いかにも偶然にも撮れたシーンであるように感じさせるのはそのせいか。目を見張るような美しい映像に、思いもかけず素朴な魅力を感じさせるのはそのせいか。
もぎたての、素朴な味のする青々とした果実のように、彼らの等身大の姿がそこにあるような錯覚を起こさせる。見事!

この作品が初の長編映画であるという日本人監督、松下俊文氏は、この作品を作るにあたり、監督・脚本ばかりでなく、製作・編集・音楽構成、撮影、出演、車両の運転すらしたという。
そのカメラや編集のやり方は、時に、切り替えが早すぎるように感じたり、物足りなく思えるシーンもいくつもある。もっとゆっくり見ていたかったのに、と感じさせることもままある。
いや、言うまい。同時にとても嬉しく感じたのも事実なのだから。日本人監督が、こうした素敵な映画を作って、私たちのもとに届けてくれた、こんな仕事を成し遂げる人がいた。それだけで、とても嬉しくて胸がいっぱいになったのだから。冒頭の少年たちがレールに耳を傾けるシーン、夕日のオレンジ色を背景に影絵を作り、少年たちが汽車の真似事をするシーン。これだけで私は、思わず涙が溢れてしまったのだから。

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とらねこ

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とらねこ

“にゃほー。”