2010-01-08

『シャネル&ストラビンスキー』レビュー このエントリーを含むはてなブックマーク 

1920年代、当時が淡々と描かれている作品であり、ストラビンスキーの音楽とシャネルの芸術センスが映し出される。一見華やかに感じる世界だがどこか冷淡に見え当時の産業革命に代表される生活様式の大量生産、大量消費とは一線を画す。
 『春の祭典』初演を観たココ・シャネルはストラビンスキーの音楽に惹かれ、援助を申し出る、それを受け妻子と共にシャネルの別荘宅での生活がはじまり、シャネルとストラビンスキーは互いに惹かれあっていく、二人の感情の共鳴はお互いを高め、ストラビンスキーは音楽にシャネルは世界的に有名な香水『シャネルNo5』を作りだす。
 ストラビンスキーとシャネルの情熱にストラビンスキーの妻が嫉妬に近い感情を段々と募らせていく描写は、女同士の激しい嫉妬の炎というより、乾いた空気の中でゆっくりとゆらめくロウソクの様で、それが世界観とマッチしており、ゆるやかにストラビンスキーの感情を揺らしていく。
 しかし、ストラビンスキー、シャネルの関係の側面を描いた映画であり、二人の内情や歴史的な面はあまり多くは描かれておらず、冒頭やラストでは少々困惑する場面もあった。
だが、役者の演技力と描写に心を奪われるだけのうまさがあり、観る価値のある映画だと感じた。

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kouhei

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