2010-01-13

圧倒的な情報量で挑む このエントリーを含むはてなブックマーク 

オープニングの澄んだ水の雫音(そして、ユニークなミニマル音楽)や青い映像とは
裏腹に展開されていく水を巡る壮絶な戦い。生きる上での最低限のライフラインであ
る水、発展途上国では欧米のグローバル企業がインフラを建設するだけでなく、供給
までもコントロールされる。もはや水は公共のものではなく、売り買いされる資源。
仕組まれた国際会議では途上国の代表は採決権もない状態。民衆の抗議運動に対する
国家による武力行使、搾取される理不尽な映像が展開される。水は利権の格好の道具、
そして政治の力にもなってしまう。

一見、水が豊富と思える日本も「仮想水」という概念では食糧依存度の低い日本は世
界最大級の水輸入国になってしまい、一方、農産物を輸出する国は水資源を消耗して
いくという。

映画は水問題に対して意識が低いであろう我々に、(その場では整理しきれない程の)
圧倒的な情報量と共にシビアな事実をつきつける。サム・ボッゾ監督はこの映画を通
して、まさに戦いを挑んでいるのだ。

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Makonaute

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“an eclectic music, cinema, art fan, also I like riding bicycle, reading, travel.”


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