2010-03-05

風の国 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 モンゴルについての知識はジンギスカンと朝青龍ぐらいで全くの予備知識なしでの鑑賞でしたがそれなりに楽しく拝見した。
初めて耳にした「ホーミー」はお爺さんが朝うがいをしている音に不協和音的な高音が微かに混ざったような実に摩訶不思議な音でした。
魚河岸の競りの声のようにモンゴルのあの広大な草原の中では、あのような発声法が一番遠くまで伝わるのだろうなと思う。
主人公がチャンドマニ目指して乗り合いバスで旅をするのだが十数時間同じ車に揺られているうちに乗りあった人々がうちとけてくる様子がひどく懐かしい気がした。
20数年前の学生の頃、夜行列車で東北の実家に里帰りした頃の雰囲気に似ている。出稼ぎから帰るおじさんやおばさんが田舎に近づくにつれ田舎なまりの言葉になり、見ず知らずの私にお菓子やおにぎりをおすそ分けしてくれたものだった。14時間ぐらい固い座席に座りっぱなしでうんざりもしたけど。

風の吹きすさぶモンゴルの丘で奏でられるホーミーは哀しく優しい。
末永くモンゴルの草原の中に響き渡ることを願う。作者のそんな願い、祈りが伝わってくるような映画でした。

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makoto

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makoto

“死ぬには早すぎるけど、やり直すには遅すぎる。”