2010-05-27

必要性のない残酷な「食文化」?——映画『ザ・コーヴ』等—— このエントリーを含むはてなブックマーク 

 昨日から少し涼しくなり、個人的には助かっていますが、風邪をひいてしまった人もいるみたいですね。

 今日は午後から秋葉原へ、映画の試写会に行って来ました。

 観たのは、和歌山県太地町で行われているイルカ漁の極めてショッキングな実態を、地元の漁業関係者や警察の妨害を切り抜けながら取材した、ドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』(原題“The Cove”、監督:ルイ・シホヨス、出演:リック・オバリー、ルイ・シホヨス他、2009年、米国)。
 
 http://thecove-2010.com/index.html

 ただし、イルカ肉や日本沿岸で獲れるクジラ肉が生物濃縮のため高濃度の水銀で汚染されていること、国際捕鯨委員会(IWC)での日本政府のなりふり構わぬ貧しい小国の買収、今の調子で乱獲を続けていると近いうちに「海洋資源」は枯渇してしまうという警告など、イルカ漁ばかりを取り上げている訳ではなく、かなり多面的な作品です。詳細は上記の公式ホームページを見て下さい。

 とは言え個人的に一番印象に残ったのは、イルカ漁の目を覆いたくなるような残酷さと、それを報道させまいとする、映画関係者に対する漁業関係者のヤクザまがいの妨害や警察の執拗な訪問と尾行でした。前者も勿論ショッキングで道徳的に問題だと思いましたが、特に後者は、日本社会の不自由さと陰湿さを一番グロテスクな形で露になったような気がして、マジョリティ日本人の一人として滅入りました。

 ところで、私自身はグリーンピースのサポーターだということもあり、これまで遠洋での「調査捕鯨」には反対してきましたが、日本沿岸で行われる捕鯨は、食文化の一環として許容してもよいのではないかと思ってきました。また、鴨川シーワールドのような施設での、シャチやイルカのショーにも何の問題も感じていませんでした(経済的に非常に厳しい状況にあることもあって、実際に行ったことはありませんが)。

 しかし、残酷極まりないイルカ漁が、主にそのような施設に送るイルカを確保することで経済的に成り立っていること、施設に入れられた後もイルカは、ストレスで常時胃腸薬を摂取しなければならないような状態であることを、この映画を観て初めて知り、自分が恥ずかしくなりました。

 「白人」に日本社会の暗部を暴かれ、突き付けられているような気がして、反発を覚える人もいるかもしれません。実際に二三年前の『靖国』と同じような上映中止を求める動きが起きているという話も聞きます。しかし、この国をもっと自由で開放的な国にするためにも、この「他者」からの批判と問題提起を真摯に受け止めるべきだと思います。

 一般公開は六月末からとのこと。

 
 話は変わりますが、鳩山首相、とうとう普天間の米軍飛行場の辺野古移設を明言してしまいましたね。「国の安全」なるもののために、まず最初に米国政府とした約束を、沖縄の国民に押し付けるという、およそ民主的ではないやり口は、自民党と全く変わらず、心底失望させられました。現在の民社国連立政権は、原発にせよ米軍基地再編にせよ、殆ど自公政権を「継承」しているだけだということが、今回の件ではっきり示されたような気がします。これまで現政権をどちらかと言えば支持してきましたが、殆ど幻想だったようです。今度の参院選は民主党は非常に厳しい結果になるでしょう。ただし私自身は自民党や公明党は勿論、実体は民主同様「新自民党」でしかない、みんなの党をはじめとする、現在の「第三極」の躍進も望みませんが。

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知世(Chise)

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