2010-08-25

密封する映画【『ゴーストキス』『making of LOVE』クロスレビュー】 このエントリーを含むはてなブックマーク 

『maiking of LOVE』 は密封する。フェイクドキュメンタリーという手法によってすべてをカメラに閉じ込める。カメラの外には存在しない存在についてのドキュメンタリーとも言える。古澤監督は多分こう考えているに違いない。「純粋で、可愛くて、俺のことが大好きで、おまけにド助平な女?そんな都合のいい女はカメラの中の世界にしか存在しませんよ」と。この映画の面白さは、童貞的な妄想の炸裂よる抱腹絶倒のラブコメディと見せかけて、そうした流行の紋切り型をリッミトまで振り切ることにより、そこに巣食う底抜けの浅ましさを告発するところにある。

『ゴーストキス』もまた密封する。マンションの一室で勃発する密室劇という設定によって閉じ込める。しかしそれは、マンションの一室が地震によって「あっち(冥界)」と繋がってしまった「こっち」としてあるように、「こっち」に閉じ込めれば閉じ込めるほど「あっち」が際立つという開放的な閉じ込めだ。その開放感は精緻なカメラワークやリズミカルな編集によってどんどん加速し、ついには閉じ込めをも突破し、外へと繰り出すことになるだろう。

二人の鬼才がまるで示し合わせたように同じ「密封」という主題から出発し、まったく違う結末へと辿り着く。その過程で二人がどんな道程を巡ったのか。是非とも多くの人に熟味してほしいと思う。

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