2010-08-25

Hよりも映画の基本を考えてしまった。【『ゴーストキス』『making of LOVE』クロスレビュー】 このエントリーを含むはてなブックマーク 

春野さくら、白井みなみ、藤代さやの現役グラビア・アイドルが出演!
しかも「 青春Hシリーズ 」と銘打ってあったら、それはもう萌え萌えシーンが売り物の裏ビ的な映画なのかと思うじゃないですか。
実際見てみたら、いえいえ、全然、全然。

2作品共に映画としてしっかりと脚本が練られていて、ハリウッド映画の様に先が読めてしまわないのです。
荒唐無稽なので「 この次どうなるの? 」とハラハラドキドキ。
そうですね、「 青春 」と「 H 」を量りに掛けると、「 青春 」に軍配です。
Hの部分は、脚本から取り除いてしまっても良い位おまけ的です。
今はシネコン上映の一般映画でも性的描写はどんどん過激になっており、ショー化されています。そういう映像に慣れてしまった目には、2作品の濡れ場は、余りにも初々しくて、逆に
「 あら、いや~ん。」って感じです。 そういうのってどうしようもなく恥ずかしいんですけど・・・。昭和のエロスを知っている世代に是非見て欲しいと思いました。

「 ゴーストキス 」は、カメラを固定してワンカットがとても長い作品です。
最近の凝りまくった派手なカット構成の映画ばかり見ていると、それはまるで演劇の舞台を見ている錯覚に陥りました。
自分とは縁の無い、巨大な製作資金を動かす巨匠と呼ばれる監督が作った作品だと、「 自分には関係無い 」 と云う距離感が、自分と作品との間に無意識に出て来たりもするのですが、この作品は設定も役者さん達も自分と等身大なので、作品の中に気持ちが妙にすんなりと入ってしまいました。
又、見ていて「 ギャハハハハハハ! 」と思わず声を上げて笑ってしまうシーン満載で、青春H と云うよりは良質のコメディ作品として拍手を贈りたいです。
ありし日の香港映画の良い部分のエッセンスだけを取り出した様な映画です。

「 making of LOVE 」は、実は影の主役は自主映画を撮る監督役で出演している古澤健監督自身でしょう。ゆかりと翔太のラブ・ストーリーは二の次で、古澤健が如何に映画作りを愛しているかを曝け出して告白してしまった映画なんでしょう、本当は!??
空に現れたUFOが、ムービー・カメラの形をしているのにも頷かせられます。
シネメイニア( 映画馬鹿 )がこの映画を見たら、泣ける事請け合いです。
古澤健さん、貴方が映画と心中しようとしても、私は止めません。 思いっ切りどうぞ。( 笑 )

では、まとめ。 シネコンの大量消費される映画だけじゃなくて、もっと個性的な手作りの映画を見てみたいと心の中で思っている人々にぴったりの映画シリーズだと思います。

キーワード:

「ゴーストキス」 / 「making / of / LOVE」


コメント(2)


  • あまき=水煙亭月掌 2010-08-30 01:48

    どこかに「H」があれば、若い作り手に自由に作らせるという、昭和の日活ポルノ路線なシリーズなのでしょうか? だとすれば、まだまだ、日本の映画界は、健全、進むべき未来があるのかも知れませんね!

  • 二へドン 2010-08-30 13:43

    > あまき=水煙亭月掌 様。

      はい。 確かに、日本映画の未来の蕾を感じさせる映画シリーズだと思います。
      機会が有りましたら、是非1度見て下さい。
      演劇好きな方には「 ゴーストキス 」がお勧めです。

二へドン

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