2010-08-31

「内面の精神を見よ」 このエントリーを含むはてなブックマーク 

バンドとしてのサクセス・ストーリーと簡単には語れない程、
彼らは文字通り、身を削って音楽に集中していく。

国が崩壊し、法秩序は無法状態、
地下資源に恵まれているものの、産業が成り立たず、
ポリオの予防接種を受ける事すら出来ない貧しさの中、
身体のハンディキャップも抱えつつ
けれど、しっかりと未来へ繋ぐ橋渡しをしようと
道を切り開いていく姿に驚愕と尊敬の念を抱く。

廃物利用で作る車椅子や楽器の数々、
力強い歌声で日常を語る、淡々としたメッセージは
シンプルだけど、聞く人の心を揺さぶる。

ジャンル的にはルンバ。
ベースは、ある一定パターンを保持しつつ
ソロ・ヴォーカル、コーラス、セッションが乗っかり
そして盛り上がってダンシングでフィナーレ。

折しも10月に来日するとの事なので、早速チケットを手配。
個人的注目は一絃ギターと美しい歌声を響かせるロジェの演奏。
まだ20代になるかどうかという若年だが
未来のコンゴを担っていく青年だ。

彼らにとって生きるとは音楽と共にある事。
そしてそれがとても自然なのだ。
彼らもまた、音楽に愛されているミュージシャンなのだ。

ドキュメンタリーの中で、直接、バンドスタッフとは関係無いけど、
微笑ましいシーンがあった。
人口の8割がキリスト教徒だそうだが
少年がキリスト教の絵本を見ながら
「初めに罪を犯したアダムが全て悪いんだ」
と可愛らしいボーイソプラノで話している。
それは、今の国の現状から発した言葉なのかもしれない。

教会でキリスト教教育は受けているらしいが
アダム=原罪=自分と行き着いていないところをみると
半端な知識のまま大人になるのだろうか。

この映画で知った、今までは無縁だったコンゴという国の未来が
どのように展開されるか今後も追っていきたい。

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gondwana

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