2010-10-11

内田樹『下流志向』についてのレビュー (と、内田がマスコミに引導を渡したことについて) このエントリーを含むはてなブックマーク 

内田樹『下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち』

理屈はつじつまがあっている。
前半の教育論も、すぐれている。

しかし、ニート・フリーターをばさりと切った箇所は、暗澹たる思いになった、読んでて。

愛も哀しみもない本だ。
内田の話にあわせて言うならば、働かない若者は「無時間的」だから絶対に動かない、というその内田の見解が皮肉なことに「無時間的」である。

若者に自ら「時間性」が生じることを内田は信じていないし、願ってすらいないのだ。

ぼくはこの本を読んで、内田先生には日本のマスコミを象徴する、ある態度がみてとれるなあ、とずっとおもっていました。
先日、内田はトカゲのしっぽきりのように、マスメディアに引導を渡した。
何も言うべきことはない。
ただ、中野重治ならばむしろ劣勢の時こそ、その陣営に加担しただろうと思うだけだ。

http://www.amazon.co.jp/review/R8MDTF4F9OH49/ref=cm_cr_pr_perm?ie=UTF8&ASIN=4062138271&nodeID=&tag=&linkCode=

(参考:内田樹「腐ったマスメディアの方程式──君たちは自滅していくだろう」(現代ビジネス) http://bit.ly/c8KL7y)

キーワード:

Media / Book / Criticism / Japan / Review


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坪井野球

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坪井野球

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