2010-10-24

『スプリング・フィーバー』クロスレビュー:愛ゆえに。。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した作品ということで、良く練られた脚本で巧みな演出が見られる作品なのかな、という先入観があったのですが、俳優もキャメラも大変に生々しい作品で、すぐに引き込まれてしまいました。

テーマは愛。。。おそらくすべての人が愛を求めているのだろうが、その愛のありようが個々で異なっているために生じてしまう行き違いを赤裸々に描いた素晴らしい作品でした。

愛を求め、欲望のまま、相手を欲し、肉体を貪るようにぶつけあい、あるいは拒絶され、叫び、殴り、罵る。ここでの男女はジャック・ドワイヨンの映画(特に「ラ・ピラート」を想わせる)の登場人物のように愛を求め合う。その様を残酷なまでにロウ・イエ監督は追い続ける。

愛を失った時に、人はあっけなく死を選ぶことがある。あるいは、愛ゆえの憎しみにさらされ、死に向かい合わざるを得なくなることも。。。(首を切られ、まるで「勝手にしやがれ」の主人公のようにふらふらと街を行き、倒れる。。)

紙一重で生きながらえて、なお、漂う人生。。あてどなく歩き、さまよい、そしてまた、愛を求めるしかないのだろう。

この作品は愛を求め続けなければ生きられない人間の哀しみを描ききった稀有な作品のひとつだと思いました。

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ぱぱちょん

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