2011-01-11

地球生命共同体についての冗長な映像エッセイ——『ガイアシンフォニー第二番』—— このエントリーを含むはてなブックマーク 

 東京はクリスマス前からずっと痛寒い日が続いていますね。僕も風邪防止のため、ウォーキングで帰宅後、出来るだけすぐに入浴するようにして、汗冷えしないように注意しています。

 先月から始めた、休肝日の設定と節酒は、一晩だけワインを一本半弱呑んで、軽い二日酔いになった日はあったものの、現在も継続中。他方で、自作の茸の混ぜご飯が美味し過ぎて、ちょっとお米を食べ過ぎてます…どんぶり飯三杯とか…。その分意識して身体を動かすようにして、毎日この気候でも汗ばむ程のペースでウォーキングに励んで、体型維持に努めてはいますが。

 今日は年が明けて初めて映画を観に、キーンと冷たい冬晴れの中ウォーキングでいつもの下高井戸シネマへ。観たのは『ガイアシンフォニー(地球交響曲)第二番』(監督:龍村仁、監修:稲盛和夫、製作:京セラ、1995年)。

 http://www.gaiasymphony.com/
 
 粗筋その他、一般的なことについては、公式ホームページでの龍村監督自身による解説(↓)を見て下さい。

 http://www.gaiasymphony.com/bu/co_guide2.html
 
 青森県岩木山の麓にある「森のイスキア」で四季折々に行われた、佐藤初女さんのインタヴューを中心に据えて、ジャック・マイヨール(イルカと人間の共存を訴えるフランス人のフリーダイバー)、フランク・ドレイク(地球外知的生命体の探査に情熱を傾ける米国の天文学者)、ダライ・ラマに、人間同士の、人類と地球生命共同体(ガイア)の、ドレイクの場合は宇宙生命共同体の相互依存性についての直観的理解——オルターナティヴなライフスタイルを志向する人達が好んで使う表現で言えば「気づき(awareness)」——をテーマに行ったインタヴューを配した、独特な空気の映像エッセイといった赴きの作品でした。

 ちなみにマイヨールは晩年鬱病で、2001年に自殺してしまったようです。

 以前は龍村監督を「友人」だと言っていた星川淳さんが、2007年度末に行われた或るトークセッションで、穏やかな彼には珍しく、本作に対してかなり激しい当てこすりをしていたことや、以前観た『ガイアシンフォニー六番』(2006年)のスポンサーに電力会社が付いていたことなどから、『ガイアシンフォニー』シリーズは元々距離を置いて観ているのですが、今回も従来のスタンスを覆すには至りませんでした。と言うよりむしろ、疑念を強めたと言っていいかもしれません。

 京セラ創業者が監修し、京セラが製作(どういう経緯なの?)ということは脇に置いたとしても、二時間以上も「気づき」についての、しかもインタヴュー対象が四人と多いせいで、内容的には断片的な、映像エッセイを観せられても、正直僕には退屈でしかありませんでした(ドレイクの部分ではちょっと居眠りしてしまった程です)。また僕が本作を映像エッセイと呼んで、ドキュメンタリーと呼ばないのは、各々のインタビューが結局、雰囲気重視の表面的で断片的なものに留まり、取材対象になった各々の人物の生きた人間性に迫るところにまで至っていないからです。

 本作には熱心なファンも多いようですが(僕が観た回も、平日の昼間にも拘らず、中高年中心の観客で劇場は半分くらい埋まっていました)、環境問題についてのイントロダクションとしては兎も角、お金を払って繰り返して観賞するような作品ではないのではないかというのが、僕の率直な感想です。

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知世(Chise)

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知世(Chise)

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