2011-01-13

『ジャンデック』正体不明のアーティスト・ジャンデックの謎が解けちゃった?!湯浅学氏×佐々木敦氏トークイベント【リアル!未公開映画祭:イベントレポ】 このエントリーを含むはてなブックマーク 

1月9日(日)に、謎が謎を呼ぶミュージシャンの正体を探るドキュメンタリー『ジャンデック~謎のミュージシャンの正体を追う~』のアップリンクファクトリーでのトークイベントに批評家の佐々木敦さんと評論家の湯浅学さんが登壇し、さまざまな憶測からリアルなライブ活動まで、ジャンデックの正体に迫りました!

『リアル!未公開映画祭』は好評につき1月20日(木)までアンコール上映が開催されています!

詳細は公式ウェブサイトで!
http://www.webdice.jp/realmikoukai/

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◆レポート◆
佐々木さんは、ジャンデックを知ったきっかけについて、「ライターを始めた87年にボアダムスの山塚アイに「ジャンデックって知ってる?狂ったやつがCD出してるよ」って言われたのがきっかけ」と語り、湯浅さんは初めて聞いた印象を「思ったより地味だなと思った。どの歌も似ていて全部替え歌みたいで、全部合わせて1曲ってイメージなんだよね」とジャンデックの音楽の不可思議な魅力について語りました。

「この映画『ジャンデック』が公開された直後の2004年に、全く何の説明もなくグラスゴーのフェスで姿を現しちゃった。その後は、あらゆるフェスやライブに出演してるんですよ。でも告知しないから運のいい人しか観られない!ライブの模様は毎回2カメで撮ってなんとDVDまで出している!」との佐々木さんの発言に会場からは、思わず「もう謎じゃないじゃん!」との声が!

「ジャンデックは日本語版のwikiにも載っていて、しかも本名まで明かされている。ライブもyoutubeで検索したら見ることができるし、もはや謎ではないのかもしれない」という佐々木さんに、「でもwikiも信用できないよね。ライブをやっているのがジャンデックという保証もないし、誰もはっきりと確認するすべがないのだから」と湯浅さんが答えると、すかさず佐々木さんが「もしかしたら影武者かもしれない!」と一言。湯浅さんも「ジャンデック1号、2号、3号がいてみんな同じように歌えるのかも(笑)」と話し、会場から笑いが起こりました。

佐々木さんは最後に、「最近では気になるものはインターネットで検索すればすぐに出てくるけど、家に帰ってyoutubeを検索せずに、妄想にひたってみるものいいかもしれない。ジャンデックも今の世の中に出てきていたら扱いが違ったかもしれないな」と簡単に情報を受けとることができる現代社会の問題点についても言及しました。

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◆作品情報◆
『ジャンデック~謎のミュージシャンの正体を追う~』
2003年 / アメリカ / 88分
ブルース、調子外れの音、なんとなく頭から離れない歌詞。ただ1回もライブを行うことなく、人前に現れず、25年間で34枚のアルバムを出した。連絡方法は、私書箱宛の手紙のみ。“ジャンデック”というのが男の本名かどうかさえ謎。
ジャンデックはファーストアルバム「Ready for the
house」を1978年に彼自身の音楽レーベル、コーウッド産業より発表した。もちろん、彼がこのレーベルのたった一人のアーティストだ。
様々な出版物のレビューや記事の多くでは「不気味」「率直」「ぼんやり」といった言葉が突出している。けれどもジャンデックの音楽の特殊性を正確にとらえることは誰にもできない。
しかしながら、音楽よりもおもしろいのは彼にまつわる“謎”。ほとんど誰にも聞かれることのないアルバムを1年に1枚は発売し続け、活動を続けるこの男は誰なのか?彼はライブやインタビューを通じて自分のアルバムを宣伝することを拒み、なインディーズ音楽雑誌で広告を出すのみ。
ラジオDJ、レコード店の店主、雑誌編集者・・・ジャンデックはファンはみな、ジャンデックについてあれこれ想像する。それぞれのファンのジャンデックのイメージは、彼や彼女自身をどれくらい反映しているだろうか?
本作の制作を開始するとき、プロデューサーのポール・フェラーがコーウッドに手紙を書いた。後日届いた返信には、「全ての質問には答えかねます」と書いてあった。

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◆『リアル!未公開映画祭』とは?◆
ビッグマックを食べ続けて話題を呼んだ「スーパーサイズ・ミー」の監督モーガン・スパーロックが、「オサマ・ビン・ラディンはどこにいるんだろう?」と質問しながらイスラム諸国を駆け回る『ビン・ラディンを探せ!』、地球上で最も隔絶された国である北朝鮮の秘密のベールを取り払う『金正日花/キムジョンギリア』、強制的に少年兵にさせられた経験を持つボクサーを追った感動のドキュメンタリー『カシム・ザ・ドリーム~チャンピオンになった少年兵~』、謎に包まれたアシッド・フォーク・シンガー、ジャンデックの正体を追う『ジャンデック』、金儲けのための出産ビジネスに迫る『ビーイング・ボーン』などなど、衝撃の事実を扱った9作品を渋谷アップリンク・ファクトリーにて12/25~1/20まで公開、他全国順次公開!(※好評につき、会期が1/20まで延長されました!)
詳細は『リアル!未公開映画祭』のホームページから
URL: http://www.webdice.jp/realmikoukai/

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