2011-03-21

僕が東京から避難しない理由 このエントリーを含むはてなブックマーク 

何人もの友人知人が東京から西へと避難した。
海外からは、東京は危険だからすぐ逃げろというメイルが届く。
理由は、原発事故は日本のメディアで報じられている以上に深刻で、
いってみれば東京は放射能で危険になる、あるいはすでに危険だからというのである。
政府のいう「ただちに人体に影響の無い」というのは裏読みすれば
「将来人体に影響の出る可能性がある」ということだから、危険だというのだ。

アップリンクでは映画館とカフェレストランを営業している。
お客さんに自分の部屋から出て、屋外に出て渋谷までやって来てくださいという商売だ。
映画館が閉まっていれば、お客さんを屋外に出す事もない。

自分が避難しないのはまだしも、自分の間違った判断でお客さんを放射能の危機にさらしてもいいのか。
観客を放射能の危険にさらすことはできないという理由で、上映やイベントを取りやめた例もあるようだ。

しかし、まてよ、メディアで専門家がいう事は全部嘘で、真実は危険だとしよう。
ならば、東京より福島、そして被災地はもっともっと放射能の恐怖にさらされているのではないか。

日本を一つの船だとしよう。
被災地に避難している人も、東京に住む人も、同じ船に乗っている。
その船に、放射能の危機が襲った。一番ひどいところは福島の原発周囲だ。
彼らを置き去りにして、避難する事ができるか。

僕にはできない。

東京に住む僕らよりも、もっと放射能の危険にさらされている被災地の人を見捨てる事はできない。

それになによりも福島の原発は東京電力のものではないか。首都圏に住む僕は、事故が起きた時のリスクを全部福島に押し付けていたのではないか。

もし、本当に放射能の危機があるのなら、僕はまず被災地の人を避難させる事に全力を尽くすべきだと思う。

東京の放射能の危機を考える時、被災地の事を忘れていないか、もう一度自問したい。

素人でも分かる事は、放射能の危機は被災地の方が東京と比べて圧倒的に高いということだ。

避難する人は情報エリートかもしれない。僕の知らない放射能の危険性を知っているのかもしれない。東京は既に放射能の危機にさらされているのかもしれない。ならば、まずその情報を被災地の人に告げ、被災地の人の避難を考えるべきだと思う。

自分の子供だけは疎開をと思うかもしれない。仮に僕に子供いて、妻が妊婦だとしても、被災地の子供の放射能の危険度からいえば先にその子供をたちを避難させ、被災地の妊婦を避難させるべきだという理由で、自分の子供や妊婦の妻を避難させる事はない。

さらに、僕はアップリンクの社長なので、社員に仕事をやらせたままで自分だけ避難はできない。

同じ船に乗っている人間として、自分より危険な状態にある人たちを置き去りにして僕は避難する事ができない。

僕にできることは、東京に留まり、いつもの仕事を行い、自分に、アップリンクにできる範囲で義援金を集める方法を考え、それを被災地に送りたい。

もちろん、この考えは僕個人の考えで、危険を察知し避難した人の誰をも責める気は全くないことを最後に添えておきます。

キーワード:

地震 / 原発 / 放射能 / 疎開


コメント(0)


浅井 隆

ゲストブロガー

浅井 隆


関連骰子の眼

関連日記