2011-10-20

【『サルトルとボーヴォワール 哲学と愛』クロスレビュー】 このエントリーを含むはてなブックマーク 

哲学と言うと、なんだか難しくて、受け入れがたい感じがするんですけど、大して難しい事を書いてあるわけじゃないんですよね。女性はこうあるべきだとか、抽象的な問題を論じ合って、定義づけしているだけ。でも、この抽象的な問題を、最初に思いついて、最初に論じたというところが凄いんでしょうね。私達は、既に、論じ合った後の物を読んでいるので、普通じゃんって思ってしまうんですけど。普通にぼんやり生活していたら、そんな事、考えもしなかったかもしれない。

そんな哲学を男と論じ合い、女性の幸福の為に古いしきたりや、社会通念、偏見と戦って、女性の自由を勝ち取ってくれたボーヴォワールと、その愛人であり、一緒に哲学を論じ合った哲学のスーパースター、サルトル。この二人の歴史を、駆け足で描いている映画です。

上にも書きましたが、長い人生を駆け足で描いているので、ハッキリ言って、人間関係が解り難いです。そして、人物像も描ききれていません。でも、まぁ、こんな風に、二人での決め事を作って、新しい生き方を模索していたというのは、理解出来ます。それに、哲学というものが、遠い存在というか、難しくて面倒臭いと思っていた私には、こんな人達が語り合って、現代哲学というものを広げていったんだなということが判って、ちょっと、身近になったような気持ちがしました。

哲学って、とっても抽象的で、結構、いい加減なんですね。これくらいの考え方で、哲学って語られているんだなって思ったら、小学校の道徳の授業とかで話し合っていることも、哲学になっちゃうじゃんって思ったのは私だけなのかしら。自由恋愛とかカッコいいこと言って、ただ、色々な女や男とヤリたいってだけでしょ。結婚しないっていうのも、縛られたくないって理由だけど、別に、これだけ結婚が自由になってきた状態なら、籍が入ってようと、入ってなかろうと、別々に、自由に暮らせばいいじゃん。経済的な問題だけでしょ。なんだか、とっても不思議でした。

と言っても、昔の話だから、社会的な規制なども多くて、大変だったのでしょうね。今、考えればなんてこと無いことが、昔は、とっても常識から外れていることで、白い目で見られたり、罵られたり、色々あったようです。そんな不自由な時代を映画の中で見ることが出来ます。

哲学で有名な二人の人物の歴史を、この映画で知ることが出来ます。長い文章を読むより、この映画を観るほうが理解しやすいと思いますよ。駆け足で描いてはいますが、本で読むより面白いし、頭に入ってくるから、親しみやすいと思います。ぜひ、哲学っていうものを、こういう人達が提唱してくれたのだと知ってください。

キーワード:

サルトル / ボーヴォワール / 哲学 / / 自由


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ゆきがめ

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“映画、大好きです。ストレス解消法です。”


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