2011-10-24

『サルトルとボーヴォワール 哲学と愛』クロスレビュー:哲学について考える。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 サルトルとボーヴォワールの神話は、「契約結婚」というセンセーショナルな
言葉が一人歩きし、写真で見るその姿は、2人の偉才がシュールな関係を
まるで誇示しているかのように、そして、苦悩と無縁の世界がそこに
あるかのように映っている。
 しかし彼らの関係が、2人であったからこそ、また2人でなければ
成立しなかったということをこの作品を通じて感じることができた。
 サルトルやボーヴォワールについて、著書は知っていてもなかなか
彼ら自身について知る機会がなかったため、とても興味深い作品だった。
 この作品を見て、彼らの著書を読むとまた違った印象を持つかも知れない。
 ボーヴォワールを演じるアナ・ムグラリスは、私の知らない、彼らの日常に
ライトを照らす。緊張感を孕み、時に自らの感情に揺れ動きながらも、
サルトルにとってかけがえのない哲学者の愛を演じ、その際立った美しさで
彫刻のように仕上げていく姿がとても印象的だった。

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marble*

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