2011-10-31

EgofiLter公演 「IN/GO」(シアター711)を観て。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 今から確か30年前、状況劇場の舞台を初めて観た。確か、大阪のどこかの神社の境内に建てられた赤テントだった。演目は「腰巻お仙」だったか。唐十郎、李礼仙健在。根津甚八もいたっけ?後から聞いたら、佐野史郎さんもチョイ役で出ていたとか。毒々しい照明と、何をしゃべっているかほとんどわからない観念的なセリフの数々、舞台真下に広がる池、お仙が木馬にまたがって漆黒の森の中に飛び立つ衝撃のラスト。今でも目に浮かんでくる。当日は少し雨が降っていて、テントを組んでいる材木の針金が外れそうになり、隅っこでそれを支えながら観た覚えがある。何故か「俺が支えていなければならない」「俺も舞台に参加しているぞ」という気概で。しかも桟敷でだ。今だったらホッポリだして逃げ出すだろう。桟敷なんて嫌だし。だから、それだけの何か分からない迫力と求心力があった。芝居の内容はちっともわからなくても。そういう風になるといいのだが。このユニット。仲路末平好演。ガンバレ。君は少しも間違ったことはしていない。ただし絶対正しいとは云わないけど。為せばなる為さねばならぬ何事も。

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大倉順憲

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