2011-11-06

太田省吾原作/キム・アラ演出「砂の駅」(世田谷パブリック・シアター) このエントリーを含むはてなブックマーク 

 無言劇というのを一度観てみたかった。20年ほど前に、大杉漣さんから昔の転形劇場のことを聞いてはいたけど。再演するとは思ってもみなかった。この雑多で無駄な音ばかりがありふれている今だからこそ、あえてやったのか。いやとても新鮮だった。大杉さんが途中、口笛を吹くシーンが沁みた。初老の男性と、女性がブラジャーを外して蝶の様に舞わせて遊ぶ姿には、心の中で爆笑した。セリフ(言葉)なんて要らないのだ。そこに存在すればしゃべらなくったって、俳優は生きてくるのだ。「セリフ無用」という俳優の極限状態への挑戦だ。
 この台本はト書きばかりなのか?見てみたい。演出法は?エチュードのようなことから始めるのか?ん~興味ある。100分間無言の無音だけに(時々BGMは入るが)観客席も緊張感があふれていた。途中で携帯鳴らした人!大ヒンシュクだぞ。カバン落とした人!あなたも大ヒンシュク者です。俺も腹がクークーなってしまったぞ。直前に食べたシモキタ眠亭のラーチャンの油のせいか。演劇青年の気持ちに帰り、ひとり酒。酒5合、コーヒー焼酎2杯。

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大倉順憲

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