2008-04-15

台場、恵比寿、赤坂 このエントリーを含むはてなブックマーク 

12日:台場・渚音楽祭。

 台場・フジテレビの前の敷地を使っての都市型野外イベント。もう何回もやっているイベントだが、参加したのは今回が初めて。それほど広くない敷地にステージが大小8つぐらい密集していて、音のかぶりがひどく、なんだか全体に騒然としてカオスな雰囲気。飲食店のほか古着屋なども出店。客はヒッピーもどきな格好をしている連中が多く、妙な匂いもそこかしこで。スポンサー企業のブースも多く、ほかのフェスに比べると企業色がかなり強いのは場所柄致し方ないか。缶ビール(クアーズ)や缶チューハイが一本600円とは暴利だと思った。暖かく穏やかな天気で、野外フェス日和だったのは良かった。

 狂うクルーは初見だったが、やはり素晴らしい。のほほんとしたMCと、緊迫した凶暴なノイズ・ディスコ・パンクのギャップが面白い。後半は中原昌也が登場、ビリビリのハーシュノイズ攻撃、絶叫、機材をおいたテーブルの上に立ち上がってのスクリーミングと大サービス。先生、ずいぶん肥えておられました。

 そのあとはいくつもあるステージを適当にハシゴしながら会場をうろうろ。何人か知り合いに会うも、基本ひとりなので、なかなか間が持たず、高いと文句を言いつつもビール消費量も増える。トビー、ワダなどのDJで久々に少し踊る。

 そうこうしているうちにDJケンタロウ。相変わらずの超絶技巧に感心。すっかり日が落ちて昼間とはうってかわって肌寒い中、トリのクラークは、アルバムの世界観を再現した期待通りのライヴだったけど、期待以上でもなかったというのが正直なところ。ヒップホップ的な変則ビートばかりでストレートな四つ打ちがほとんどないので、意外と踊りにくい。基本は非常にインドアな音楽なのだ。野外というよりは、クラブの大音量で聞きたい。

 このころになると酔っぱらった客のマナーがひどい。まともに立っていられず踊りながら倒れ込んでくる奴とか、ビールをこちらの服にこぼす奴とか、火のついたタバコを振り回しながら暴れる奴とか、混み合ったフロアのど真ん中で棒立ちになって携帯チェックしている奴とか。当然会場はゴミだらけ。まあ仕方ないとは思うけど。

 とはいえさしたる混乱もなく帰りは即座に電車に乗って終演後30分もかからず渋谷へ。ここらへんが都市型イベントのいいところだ。堅いアスファルトの上を歩いたり踊ったり座ったり立ち尽くしていたらヒザが痛くなってしまったのはトシを感じた。

13日:恵比寿リキッドルーム

 横浜でジャック・ジョンソン、幕張でフー・ファイターズなどがあったが、別部署にいるころからの旧知の仲であるレコード会社担当者の「是非。絶対来てください」という熱意に負け、リキッドルームへNico Touches The Walls @。しかしこれが大正解だった。
 去年の秋にメジャーデビュー、インディーズでの実績があるとはいえ、まだフル・アルバムも出していない新人なのにチケットは完売だという。注目度はなかり高そう。

 半年ぐらい前のレコード会社主催のコンベンションで初めて演奏を見たときにもかなりのポテンシャルを感じ、それなりに注目してきたが、そのときとはまるで別のバンドになっていた。ごくふつうの4ピースのギター・バンド、それも参照するような洋楽が思いつかない典型的なJ-ROCKサウンドなのだが、ヴォーカルの声が良く、華やかで人を惹きつけるカリスマ性がある。演奏力も高くバンドとしてのまとまりがあって、2時間以上の演奏時間も、長さをまったく感じさせない。メロディアスでペーソスを感じさせる楽曲もいい。客の反応もよく、今が伸び盛りなんだろう。夏フェス出演などを仕込んでさらに状況を作った上でフル・アルバムは秋だそうだが、そこまで暖めるのはもったいない。今すぐ出してもかなりの話題を呼ぶんじゃないかと思った。さらに決定的なキラーチューンに恵まれれば、何十万枚のセールスはすぐに見込めるだろう。バンドの平均年齢が22-23ぐらいという若さも魅力だ。

14日:赤坂ブリッツ

 新しくなった赤坂ブリッツ。赤坂見附から歩いたのだが、途中まではよく見知った赤坂なのに、TBS周辺の再開発で大きなビルなどが出来て、そのあたりはずいぶん景色が変わって、周囲から浮いている感じ。六本木ヒルズみたいな、観光客向けのスポットだが、いずれこの周りもオシャレな店になっていくんだろう。いつも行っていたラーメン屋がなくなっていたのでがっかり。

 ブリッツは前より二回りぐらい小さくなって、渋谷クアトロに毛が生えたぐらい。関係者受付から直接2階席にあがる仕組みは合理的だが、2階席の音はあまり良くない。ロビーも狭く、ムダに階段ばかりがでかかったり導線が不便だったり、建築家のエゴが出た感じで、あまり使い勝手のいい印象なかった。 

 ポリに関してはいつも同じような感想になってしまうが、この日はいつにも増して「元気だなあ」と痛感。つうか若いです、アーティストも客も。あんだけ飛んだり跳ねたりしてもまったく演奏が乱れないのも、いつものことながらエライ。新曲(来週発売の新作の曲)に関してはまだ演奏がこなれきっておらず、客の反応もやや鈍いが、それもすぐ解消されていくだろう。

 会場打ち上げに出るもメンバーとはほとんど話せず。その後近くで軽く食事した帰りの駅で、昨日のニコ・タッチのライヴで3年ぶりぐらいに会った元ワーナーの人にまた遭遇。顔はよく覚えてるんだけど、名前が出てこない。今は日音にいるらしいが……

 そのまま帰ろうかと思ったが、結局渋谷で降りて知人のやっているバーへ。でもなんだか眠くて寝てばっかで、同行していただいた方には失礼しました。最近とみに酒に弱くなったと痛感。結局タクシー帰りになるが、大橋のあたりで大渋滞に遭遇。首都高新宿環状線の大橋ジャンクションの工事らしく、どうやら平日(土日も)の深夜はしばらく一車線通行になる模様。結局タクシー料金はふだんより800円増しぐらいになってしまった。深夜に246方面にクルマで行く方はご注意を。

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小野島 大

ゲストブロガー

小野島 大

“主に音楽関係の文筆仕事をやってます。 ”