2012-02-05

「体感せよ! オラファー・エリアソンの世界」 トーキョーノーザンライツフェスティバル2012 作品紹介 File.13 『オラファー・エリアソン スペース・イズ・プロセス』 このエントリーを含むはてなブックマーク 


【上映日時】
① 2月12日(日)/14:00 ※
② 2月16日(木)/19:00 ※

※トークショー「オラファー・エリアソンの世界」
① ゲスト:宮津 大輔氏(アートコレクター)
② ゲスト:江口宏志氏(ブックショップ「ユトレヒト」代表)

『銀座一丁目・ギャラリー小柳』のビューイング・スペースにて、オラファー・エリアソン氏の作品を展示いただけることになりました。本編上映後に、展示作品についてご紹介をさせていただきます。

【ストーリー】
オラファー・エリアソン作品の中でも最大規模のインスタレーション「ザ・ニューヨークシティ・ウォーターフォール」(2008年)。本作は主人公自らが語る芸術論や、他の作品の紹介もまじえながら、完成までの過程を追う。
物語はイーストリバーの川辺でオラファーが自作の発想について語るシーンから始まる。作中、ナレーションは作家自らが担当し、時に観客へ語りかけるかのように話が続く。カメラはアメリカからデンマーク、ドイツ、フェロー諸島の氷河地帯など、創作や講演活動のために世界各地を忙しく駆けめぐる彼を追う。金沢21世紀美術館で2009年に開催された彼の個展の準備の様子など、彼の他の作品についても触れながら、その一貫した空間と美に関する哲学を深く追求していく。

【解説】
オラファー・エリアソンの作品と、その製作過程をふんだんに盛り込んだ本作は、まさしく“体験する映画”と言えるだろう。
作家の内面に触れ、時に作家本人が語りかける。それらはすべて彼の哲学であり、それが巧みに映像と一体化されている。といっても、考えながら観ないとわからない、高尚な芸術作品というわけではない。彼の哲学に触れながら、同時に一瞬一瞬の色彩の移り変わりや壮大なプロジェクト、それに関わる職人たちの技を楽しむ。そんな作品である。
本作を見ると「美」(彼には実際「美」というタイトルの作品がある)という要素はこの世界に不可欠なものだと感じられるだろう。
そこでもし「自然が美しい」と仮定すると「人工」がまがい物で粗悪なものなのか。だがそれはそれでまた違うものなのだと、この作品は気付かせてくれる(実際「ザ・ニューヨークシティ・ウォーターフォール」では、あえて配水用のパイプをむき出しにしている)。
映画を見終わった後も、「スペース・イズ・プロセス」というタイトルは気になるフレーズになるに違いない。本作からアートの見方が変わる方もいるかもしれない。
いろいろ想像しながら映画館へ足を運んでほしい作品である。(熊澤)

オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)
1967年デンマーク、コペンハーゲン生まれ。代表作にテート・モダン(ロンドン)の展示「ウェザー・プロジェクト」。自然現象や建築物を取り込み、鑑賞者の知覚に訴えかける作品を展開する。日本では原美術館、金沢21世紀美術館、ギャラリー小柳にて展覧会を開いた。
http://www.olafureliasson.net

「トーキョーノーザンライツフェスティバル2012」公式サイト http://www.tnlf.jp/

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