2012-04-16

「こわれゆく女」クロスレビュー:ほとばしる感情の彼方 このエントリーを含むはてなブックマーク 

この映画を見た後、私はほとほと疲弊した。
登場人物たちの激しいエネルギーのぶつかり合い、ほとばしる感情、どうにもコントロールできない哀しみ、時間の流れの優しさ...それらが全力で自分にぶつかってきた気がして。
ジーナ演じるメイベルは最初から壊れていたと思う。
精神が脆く、ギリギリのバランスで立っている人だけが放つ、特有の美しさが最初のシーンから感じられた。ピーター・フォーク演じるニックから突発的な仕事のトラブルの為、止む無く今晩は帰れない旨を告げられた時のメイベルの手の動きは忘れられない。
手首は90度に曲がり、それぞれの指が必死に空を掴んでいて、後ろ姿だけであんなにも美しく哀しいなんて。
映画全編を通して語られているのは家族の愛憎だ。愛しているから、途方も無く苦しい。
愛しているのに、受け入れられない。愛していることさえ、何度も試される。
でも、この悩ましい映画が最後まで明るさを失わないのはニックとメイベルの3人の子供達の存在があるからだと思う。
病院から退院したメイベルが最初に子供たちと対面した時の表情、それは、かたくなに閉じていた蕾みがようやく花開いたような、柔らかさと解放感があった。

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tuje

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tuje

“先日「ミラノ、愛に生きる」を見てから伊映画にハマってます”


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