2012-08-17

『ライク・サムワン・イン・ラブ』 日本固有のアンビバレンス性 このエントリーを含むはてなブックマーク 

この映画を観ながら頭の傍らで、そういえば以前知り合いの中国人が日本人は世界からみても礼節や規律を重んじる国民性なんだが夜になると飲んだくれて路上で寝ていたりくだを巻いたりととても信じられない光景になるから不思議だ、という話を思いだした。
元来日本人はおどおどしている、だとか白黒はっきりしないというのが通説であるが、この作品がイラン出身の監督であるはずなのに諸外国ではみられない、また諸外国の日本人のイメージではない日本人固有の二面性というものを目の当たりにした。
インテリであり牧歌的な性格でありながら女を買うという二面性。
清楚な女子大生でお婆さん想いでありながらデートクラブで働くという二面性。
律儀で礼儀正しいが女関係になると制御できなくなるという二面性。
そして共に一夜を過ごす以前と以後の距離感という二面性。
そういった二面性が反射した車の窓に個々の表情にまたありふれた言葉の端々にと形を変えて存在している。
そしてそれら全ての関係性が破綻するときふいにすべてが壊れるようにあっけなく映画は終わる。

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