「鈴木先生」の試写会に参加させていただきました。
もともとドラマが大好きで待望の映画化です。
緋桜山中学2年A組の生徒達や先生方はすっかり私にとっては日常で、
河合監督が映画は11話目のような感じだと仰っていましたが全くその通りで、
何の違和感もなくお茶の間にいるような感覚で楽しめました。
ただ違うのは、やはり風間俊介さん演じる勝野ユウジが加入することで
展開がドラマチックになり、さすがに映画化されただけのことはあると感じました。
最初に生徒会選挙の話が主軸になります。
それはそれで話が完結する気がして、
見始めの頃は、一体番宣でやっている勝野ユウジの「今からあなたをレイプします」
という場面とどうリンクするのか疑問でしたが、話が展開するうちに繋がっていき、
さすが古沢マジック！とうなりました。
ドラマから引き続き脚本を古沢良太さんが担当されています。
古沢さんは「ALWAYS三丁目の夕日」や「リーガルハイ」や「相棒」など、
大変いい仕事をされていますが、この「鈴木先生」においても間違いなく
彼の代表作だと思います。
私はドラマにおいてはまっていたのが、鈴木先生の妄想「小川病」で、
ドラマでそれが成仏してしまったので映画では見られないことを残念に思っていましたが、
なんのなんの、「小川病」は再発しており冒頭のシーンから大ウケで
「河合監督、ありがとう」と心の中で叫びました。
キャストにおいては、主役の鈴木先生の長谷川博己さん、足子瞳役の富田靖子さん、
小川蘇美役の土屋太鳳さん、勝野ユウジ役の風間俊介さんの四人が
映画の大きなファクターで、演技がそれぞれ素晴らしかったです。
そして四人共試写会に登壇されお話しを聞けてありがたかったです。
長谷川博己さんは様々な映像のお仕事の中で
「鈴木先生」での演技が一番素晴らしいと思っています。
特に妄想シーンの抜けた感じは、以前古沢さんが
「長谷川博己にNG無し」と仰っていた通りで、
羞恥心無くあそこまでやり切るから、もうおかしくてしょうがない、
心をギュッと掴まれます。
富田靖子さんは足子先生のだささと登壇されたときの美しさにギャップがありましたが、
ださくウザくなりきっていたのはさすが女優だな、と思いました。
映画で足子先生が復活してたことに、またストーリーの深さを感じました。
土屋太鳳さんは、とにかく彼女の声が素晴らしく魅力的だと思います。
ひたむきな演技が非常にいい、朝ドラヒロインなんかに起用されると
お茶の間の人気者になると思います。
風間俊介さんは演技力に定評がありますが、
「鈴木先生」においてもうまく溶け込んでいました。
だいたい30才前であんなに学ラン姿がしっくりするとは稀有な存在です。
2Aの生徒の皆さんはちょうど成長期ですから、このタイミングで映画化しないと
ドラマの続き、夏休み明けでの繋がりは難しかったと思います。
土屋さんが、生徒の皆に久しぶりに会ったら成長し、
生徒同士が演技において負けたくないと切磋琢磨してたと仰っていましたが、
オーディションで1000人から選ばれた皆さんだけのことはあり、
演技においても成長ぶりを感じることはできました。
これからもし続編を、という声があがっても、
生徒が更に成長し2Aとしての撮影は難しいと思います。
そういう意味でも今のタイミングで映画に収められてよかったです。
ドラマを知らないで試写会に来られていた方も映画だけで十分面白いと仰ってましたが、
映画を見ると、何故足子先生の視界に鈴木先生が抹消されているのか、
何故小川病なのか等絶対知りたくなること満載なので、
是非DVDもご覧いただきもう一度その上で映画を見直していただきたいと思います。
最後に、河合監督の演出ですが、画面上の文字の左右縦横の動きというのは
「鈴木先生」の特徴でもありますが、それに加えマーカーでの動きの演出は
なかなか見ることがないナイスアイデアでした。
エンディングの生徒が歩いて来るシーンで、
一番最後は鈴木先生が一人で歩いてくるとちょっと期待していたら、
この期待は裏切れましたがあれはあれでよかったのかも。
ただ一つだけ残念だったのは土屋さんが飛ぶシーンです。
あの演出は現実にはありえないのに長すぎて、
土屋さんや長谷川さんがバタバタしていて客席で失笑が起こっていました。
クライマックスのシーンなので笑いは無用だしバタバタシーンは必要だったのかなー？
いずれにしても、ドラマに引き続き、クオリティーの高い映画です。
もともと私は学園ドラマが苦手なのですが、これは大人も子供も楽しめる映画です。
是非期待して映画館に足を運んでください。
