2013-01-31

『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』クロスレビュー:廻る、廻る、メリーゴーランドに身を委ねての169分 このエントリーを含むはてなブックマーク 

最初に白状してしまうと、インド映画には素人だ。テンション高くて、長くて、疲れてしまうというイメージで、いかにもボリウッドムービーは飛行機でしか見た事がない。

そんな私から見たところ、この映画の肝は勢いなんだなと感じる。ジャンル的には、歌に踊りに、笑い・ロマンス・サスペンスを169分に詰め放題。そんな派手な部分はもちろん、カメラのアングルは上から見下ろし、下から煽って、回ってみたりと。シツコイ程ではなく、勢いのある流れなのだ。押して、押して、押しまくる。これがインドパワーなのだと知った。

話はややもすると、幼稚かもしれない。いくら大雑把なインドでも、妻を焼いちゃうか、とか。前世からの復讐作戦では、子供のいたずら紛いの技が繰り広げられる(ただし、その下らなさがいいという大阪のオバチャンもいそうで、確かに飽きないのである)。ロマンスやサスペンスに偏ることなく、おとぎ話でも、とにかく自由にみんなを楽しませてくれる!これこそ、世界共通にこの作品が愛される理由なのかもしれない。

残念ながら、インド芸能界に疎いので、中盤のパーティーで登場するインド有名人の場面は、多少退屈した。日本でいえば高倉健さん位の大物が出ていたのかもしれない。もちろん、インド文化に詳しければ、隠れた楽しみも見つかるはずだが、それ抜きにしても気楽にあっという間の169分。序盤はくるくる回る女性の腰と、シャンティの美しさに目が釘づけ。そして後半はいつの間にか、有名ミュージカルにつながっていく。これは、日々忙しく、仕事に疲れたサラリーマンにこそ見てみてほしい。

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