2013-02-01

『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』クロスレビュー:これぞ、インド映画ナンバル1! このエントリーを含むはてなブックマーク 

投稿者:webDICE編集部
参照元:映画大国インド・ボリウッドの最高峰、豪華絢爛な輪廻・ミュージカル・エンターテインメント

この映画を劇場で鑑賞をしたのは今回で4回目。初めて鑑賞したインドの映画館では、インド人の異様なまでの熱気と、それを冷まそうとばかりにガンガンに効いたエアコンとで体温調節に必死だったが、上映中3時間弱、言葉が分からなくても片時もスクリーンから目を離せないほど夢中になった。2回目は4年前、3回目は去年、どちらも東京で1回きりの上映でチケットを手に入れるのに何時間も並び、どうにか手に入れた。前に観た映画ならそこまでしなくても、と思われるかもしれないが、私は楽しい映画は何度でも観たいし、何度観ても飽きない。「オーム・シャンティ・オーム」はそんな特別な一本だ。

この映画の魅力は盛り沢山だが、最大の魅力はなんといっても視覚的なゴージャスさだと思う。主人公のシャールークは日本人の想像するインド人(ヒゲ・色黒ハンサム・小太り)とは違ってハンサムで、ヒロインのディピカーはため息が出るような美しさ。この二人が2つの時代(70年代と現代)のファッションを、70年代はレトロで色鮮やかに、現代は今風でスタイリッシュに着こなしていて、インド人=民族衣装というイメージが払拭されるのではないかと思う。特にダンスシーンでは次々と衣装が変わり、決して飽きることはない。

さらにそのファッションを引き立たせる名曲の数々。他のインド映画と違い、急にシーンがトリップするような突拍子のなさは感じられず、ストーリーに沿って自然な流れでダンスシーンが入る。シャンティに片思いするオームが妄想でシャンティと踊る最初の曲では、シャンティの美しさとキレのあるダンスや豊かな表情にドキドキさせられる。パーティーで数々の豪華俳優と踊るシーンでは、インド映画に詳しい人は「あ、こんな人が出てる!」と、そうでない人も思わず手拍子したくなるノリノリのナンバーだ。マッチョなオームが金髪美女と風の中、水の中、火の中で惜しげもなく肉体美を表現するダンスナンバーはちょっとやりすぎ感があって思わずニヤけてしまう。そうかと思えば、生まれ変わったオームがムケーシュへの怒りを表現した歌は、踊りながらもしっかり正義を歌っていてカッコイイ。私が特に印象的だったのは、オルゴールから始まるオームのシャンティへの切ない思いが込められた詩が心に染みた。

そしてゴージャスさ・名曲の数々に負けないくらい濃厚なストーリー。輪廻転生がテーマだと現実味に欠けると思われがちだが、生まれ変わったオームがムケーシュへの怒りを胸に復讐しようとする姿には、叶わなかったシャンティへの愛を貫く強い気持ちが表現されていて、本当にこういうことがあるのかもしれないと思わせるくらい説得力があった。

私も数々のインド映画を鑑賞してきたが、このように全ての要素がバランス良く入った
映画に巡り合うことはそうそうなかった。まさに子供からお年寄りまで楽しめる究極のエンターテイメント映画、それが「オーム・シャンティー・オーム」だ!

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