2013-04-18

『世界が食べられなくなる日』クロスレビュー:今から少しでも行動に起こさないと、地球は手遅れになるかもしれない。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

GM(遺伝子組み換え)作物と、原発についてのドキュメンタリーです。

作中では、ラットにGM作物を与えた実験を追っていましたが、
その結果ラットの腫瘍や肝機能障害の発生率が上昇しました。
中には体重の25%にもなる腫瘍ができたラットもいて、とても衝撃的な映像でした。

日本で輸入しているトウモロコシの約9割がアメリカ産で、その88%がGM品種だそうです。
今までは漠然と「遠いどこかの国の出来事」と考えていましたが、GM作物は
もうすでに私たちの口に入っているのです。
その事に今さらながら気付かされ、衝撃を受けました。

またフランスの原発保有数はアメリカに次ぐ世界第2位で、
電力の約7割が原子力発電で賄われており、近隣諸国にも多くの電力を供給しています。
EU最大の農業国であると同時に原発も大量に保有しているという事実が
とても矛盾しているように思えました。
トラクターが農作物を刈っている後ろで、原発が煙を出している風景を
撮影したシーンがありましたが、それがごく普通の日常として存在していることに
強い違和感がありました。

日本の脱原発デモの映像や、フランスの政治家リヴァジ氏が来日し、
福島を取材したり東京電力の説明会で厳しい批判をする姿も作品に収められています。
福島の有機農家の奥様の「どこへ逃げても同じ。空も海も繋がっているんだから」
「地震だけならまだ良かった。原発が全てを奪ってしまった」という言葉からは、
7代も続いていたという大切な土地を一瞬で使えなくした原発への、
強い憤りが伝わってきました。

GM作物も原発も、食糧不足と電力需要の為に開発された技術のはずです。
しかし地球の土地や資源に限りがある以上、右肩上がりの発展はもう見込めないでしょう。
今後は「さらなる発展」より「持続可能な生活」に重点を置き、
次の世代に少しでも安全な地球を残せるよう最大限の努力をするべきです。
地球の未来のために、少しずつでも行動に起こすことが必要なのだと
思い知らされた作品でした。

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snowcrystal

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