2014-11-28

壁ドンなんてメじゃない / キャラメルボックス「ブリザード・ミュージック」 このエントリーを含むはてなブックマーク 

東京公演千秋楽に向けて、速攻レビューいくど!

演劇集団キャラメルボックスのなかでも、お気に入りのひとつ「ブリザード・ミュージック」。

表題通り、壁ドンなんてメじゃない。
これぞ“人生をかけた告白”ともいうべきラブストーリーだった。

ネタバレなので、書けませんが……。
ラストシーンは、鼻水ボロボロなのである。

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1991年12月の初演版は、ワタクシの好きな近江谷太朗&上川隆也をツートップに、西川浩幸&大森美紀子W主演で、もはや伝説的舞台。

とーぜんVHSテープを巻き戻せって感じで、50回以上はビデオを見ているので、セリフは入っているし、いつだって立ち稽古に入れる。

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それから1994年、2001年と続き、4度目の再演となった今回。
どうも頭に染みついているのが、80歳の梅原清吉だったり、シアターパイナップルだったりするのだが…物語はこうだ。

90歳のおじいちゃんが、突然大劇場を借りて、クリスマスに芝居をやるという。
ろくに芝居を見たことないはずの祖父の行動にあたふたする家族たち…。
しかもオーディションに集まったのは、一癖も二癖もある役者たちで、これも一筋縄にはいかない様子…。

そのなか、上演するのは、宮沢賢治の未発表作品だというのだが…。
果たして一週間で舞台は完成するのか?

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まぁ、映画というと「雨に唄えば」「アーティスト」「映画に愛をこめて〜アメリカの夜」「蒲田行進曲」「ぷりてぃ・ウーマン」よろしくパックステージものだ。

芝居でいうと、三谷幸喜の作・演出「ショウ・マスト・ゴー・オン」が、
パックステージものとして有名だけど。

一週間の稽古を通して“劇中劇”として語られていく、梅原清吉の70年前の出来事を見せていく構成はなかなかうまい。

昔は「暗転なし!」をコンセプトのひとつとして打ち出していた演劇集団キャラメルボックス演出の真骨頂(映画的)。

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一週間で芝居を作るというと、確か旗揚げ当時の劇団☆新感線が「毎週つか芝居」でやっていたと思うし、吉本新喜劇の稽古時間はわずか1日なので、関西人は驚かない。

もちろん、吉本新喜劇と比較したら怒られそうだけど…。

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おじいちゃんではなく、おばあちゃんが頑張る演劇バックステージものとしては、前出の映画「ぷりてぃ・ウーマン」をオススメしたい。

実はベスト10に入りそうなくらい好きな1本。

実在のおばあちゃん劇団「劇団ほのお」の実話を映画化したもので、演劇集団キャラメルボックス「ブリザード・ミュージック」と同じく、家族に大反対され「ボケちゃったよ」なんてセリフも同じく出てくる。

ただし、レンタル屋で見たことなし。

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東京公演は、12月5日(金)〜25日(木)、サンシャイン劇場にて。

キャラメルボックス 2014 クリスマスツアー「ブリザード・ミュージック」
http://www.caramelbox.com/stage/blizzard2014/

まずは思ったことだけ……つづく。

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中元文月

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中元文月

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