2015-03-18

クリント・イーストウッド監督 「アメリカン・スナイパー」(渋谷TOHO)を観て。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

全編、肩がこる程の緊張感があふれる映像。戦争を知らない子どもたちだけど、人を殺して傷つけて良いものか、悪いのかぐらいなら分かっているつもりの世代だ。俺は。今、日本でも毎日のように親殺し、子殺しといった事件が発生し、なんだか「殺人」が慣れっこになってしまって、あまりニュースに刺激を感じなくなってしまっているのが正直な現実だと思う。いつだか、30代のTVのコメンテーターが、赤ん坊のことを「それはひとつの個体であるから僕には関係無い」なんてことをぬかしやがったが、恐ろしくもそういう考えが今、浸食しているのではないか。先日、ある漢方薬局の待合室で、30前後の女性2人がベチャクチャと延々と喋くっていて、とても場の空気にそぐわないオーラを発していて不愉快だったことがあった。皆、病を抱えて相談に来ている場なのだ。少し静かにしてくれ。おまけにその二人はずっとスマホをいじくりながら喋っているのだ。これが彼女たちの「コミュニケーション」なのだろうか。何が「絆」だ。こんなことで良いのか。自分だけが良ければ、それで良いのか。他人が迷惑してても、傷ついても、死んでもいいのか。セクハラ、パワハラ、モラハラなんて言葉が先行して自分の半径1メートルだけの権利だけを主張する風潮になっている昨今。何かおかしくはありませんか。俺の友人が、集団的自衛権のことを「それはそれでしょうがないんじゃない」という風な発言をしたことがあった。酒席とはいえ、どこから話していいのか分からないが熱くなる自分を恥じた。イーストウッド。よくぞ作ってくれた。あなたは永遠のハリー・キャラハンだよ。衝撃的なラストをテロップで片づけたのは、観たときは「あれ?」と思ったけど、あれで良いんだよなあ。観せない方がいいんだ。160人も殺して、いや、国に無理矢理殺せと言われて、実行してしまったんだから。エンディングの無音のロールは、「考えなさい」という間なんだろう。凄い。イーストウッド。84才で離婚問題で裁判を起こされている、あなたこそが、真の夜のスナイパーだ!
 

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大倉順憲

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