骰子の眼

art

東京都 渋谷区

2008-03-06 16:10


須永健太郎が操る「念形」の世界

現在、アップリンク・ギャラリーで開催している個展『糸ノ巻ノ弐』。ワイヤーと毛糸で「念形」をつくりだすアーティスト、須永健太郎さんに話を伺ってみた。
須永健太郎が操る「念形」の世界
  • ワイヤーなので動きは自由自在。ひとつひとつの顔、形、色が違っていて個性的

  • まるで千手観音のような念形

  • 3月8日(土)に「ライター念形」がつくれるワークショップを開催

ヴィヴィッドな色合いの毛糸でつくられた怪しい物体たち。一見かわいい…と思いきや違う。よく見ると、目が三つあったり、アゴが突き出していたり、頭に角がはえていたり。ひとつひとつ表情や形が違って実に面白い。これ、人形じゃなくて「念形(ねんぎょう)」と呼ぶそうです。


いつ頃から人形をつくりはじめたのですか?

ヒトガタの人形が小さい頃からほんとに大好きで。ウルトラマンや仮面ライダーとか、とにかく人のカタチをしているもの。幼稚園の頃からずっと粘度でヒトガタをつくっていたんです。
ヒトガタに興味をもつ人というのは、性的倒錯とか愛されていない人とか勝手なイメージがありますが、僕は愛されていたと思います(笑)。でも、三歳のとき父親を事故で亡くしたので、もしかしたらそれが関係しているのかなぁとも思いますけど。

で、ずっとヒトガタをつくり続けてきたと。

大学では彫刻を専攻していて、塑像(粘土をつけていく彫刻)をつくるのが好きでした。でも、僕が粘土をつけていくとどうも彫刻にならないらしくて。で、粘土をつける前段階にある、人の骨格をつくる心棒というのがあって、その作業がすごく楽しかった。
でも結局、人の骨格が省略されている彫刻が嫌いになっちゃって、大学にも行かなくなって。アートとか芸術とか崇高ぶっている感じに嫌悪感を抱いて、逆にもっとチープにできることがないかなと考えていました。毎日のように100円ショップに行っていたら、素材とかに脳が触発されて…その結果、ワイヤーとアクリル毛糸がものすごく相性がよかった。

人形じゃなくて「念形」と名づけたのは?

以前、作品をつくるときに家じゃなくて喫茶店とかでつくっていたんですよ。周りの人の会話を聞きながらとか、あの娘かわいいなとか、いろいろいろ考えながら。自分の中の想念を込めながらつくっていました。だから、今の心や下心が形になる、念が形になるということで「念形」とつけました。まったくの言葉遊びですね。『(毛糸+針金+シンメトリー)×念=念形』という定義を勝手につくっています。

顔に特徴がありますよね。

僕は昔からシンメントリーが大好きで。なかでも線対称に興味があって、紙をふたつに折って適当に切っていくと仮面みたいな形になったりする。顔とかマスクが好きですね。顔に執着しているかも。この念形の顔は、精霊、宇宙人、陰明師の操る式神などを再現しています。

顔の形が好きなんですか?

形とか、デフォルトのされ方というか。丸の中に大きい目と口があったらかわいいという法則があって、そういうのに興味があります。でも、僕は一般的なかわいいとかじゃなくて、こわいのが好き。

正直、この念形の顔こわいですよね。

これは僕にしたらかわいい(笑)。一般的なかわいいではないですけど…キモカワイイとか(笑)。

どこからインスピレーションを得ているんですか?

僕は精霊は絶対にいると信じていて。見えないですけど(笑)。あと、動物図鑑を見て「このオラウータンの形好きだなぁ」というのもあります。花のランも、普通に見るとキレイですけど、近寄って見るとすごく気持ち悪い。それが面白かったりして。僕は、アートとかいわれているものを見せられるより、音楽や図鑑、植物などを見て感化されやすいですね。

今後の目標や夢を教えてください。

ライフワークとして念形をつくり続けたいし、アニメーションや絵本にも挑戦してみたい。ものすごく俗なことを言えば、アーティストとして生活ができるようになるとうれしいですね。

展示期間中、須永健太郎さんはギャラリー内であるモノを制作しています。気になる方は一度のぞいてみてください。3月8日(土)にはワークショップも開催。お楽しみに!


須永健太郎PROFILE

昭和56年生まれ。幼少より粘土で人形らしきモノをつくる。大学時代、主にアクリル毛糸をワイヤーに入念に巻きつけ、シンメトリーを漂わせ造形する「念形」を考案。「一生ヒトガタのようなモノをつくる」と決め、香川県にある、とらまる人形劇研究所付属人形劇学校に特待入学。操り人形の基礎を学ぶ。現在、テレビ人形劇などの美術制作会社スタジオノーヴァ所属。「念形」技法の研究、可能性探求、作品発表がライフワーク。


念形師家元 須永健太郎 個展『糸ノ巻ノ弐』

期間:3月10日(月)まで
会場:アップリンク・ギャラリー(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F)
展示時間:12:00~22:00
入場料:無料


■関連イベント

ワークショップ「ライター念形 免許皆伝」
3月8日(土) 15:00~17:00

会場:アップリンク・ファクトリー(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F)
参加費:2,000円(材料費込)
定員:先着30名

[予約方法]
参加予約をご希望の方は、下記の項目を明記しメールでお申込みください。
(1)お名前 (2)参加希望人数(最大3名まで)
(3)電話番号 (4)ご住所
factory@uplink.co.jp
※件名を『ライター念形 ワークショップ』として送信してください

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