骰子の眼

cinema

東京都 ------

2009-03-05 16:28


写真を撮り重ねたかのような映像美とエロティシズム― 『ゼラチンシルバーLOVE』クロスレビュー

40年、写真家として第一線を走り続けてきた操上和美が90分のフィルムにやきつけたのは本能と性に翻弄された男と女―
写真を撮り重ねたかのような映像美とエロティシズム― 『ゼラチンシルバーLOVE』クロスレビュー
(c)2008オニマクリスプラナ製作委員会

ショーン・コネリー、キース・リチャーズ、矢沢永吉、椎名誠、北野武、三國錬太郎、三浦友和ら、各界著名人を撮りつづけている写真家・操上和美の初監督作品『ゼラチンシルバーLOVE』。
「一枚の写真もきちんと撮れていないのに映画はやれない」と写真家としての道を極めながら、20年以上前から操上が思いを寄せ続け、初挑戦となった本作は、言葉では一つも語らずとも人間そのものから放出されるエロティシズムの香りに満ちた男と女のドラマとなった。

ゼラチンシルバーLOVE

無機質な部屋から向かいの女をビデオカメラで監視する男(永瀬正敏)。男の部屋と運河を隔てた無機質な部屋で24時間監視され、ビデオで撮られる美しい女(宮沢りえ)。
運河に面する殺風景な部屋。男の部屋から見えるのは、無造作に平積みされた本の列とテーブルが一つ。キッチンにはステンレスの鍋。
男は女を撮り続ける。本を静かに読む女、卵をきっちり12分30秒でゆでる女、卵を食べる女。
食べ終わると、着飾り、部屋を出ていく女。いつしか女に心を奪われていく男。男の存在に気づく女。
交わらないはずの2人の運命は…



『ゼラチンシルバーLOVE』
2009年3月7日(土)より、銀座テアトルシネマ、東京都写真美術館、新宿武蔵野館ほかにて公開

監督・撮影監督:操上和美
出演:永瀬正敏、宮沢りえ、天海祐希、役所広司、他
2008年/日本/87分
配給:ファントム・フィルム

公式サイト


レビュー(5)


  • tunesさんのレビュー   2009-02-27 21:14

    写真を撮る理由

     井上陽水のCDジャケットの撮影などでも知られるベテラン写真家・操上和美さんによる長編映画の初監督作品です。大抵の場合、異業種からの映画監督の作品は、失敗するか程々の成功を収めるかの両極端な場合が多いのですが、今回の作品は僕個人の感想としては後者のよ...  続きを読む

  • 有吉達宏さんのレビュー   2009-03-01 01:10

    鮮度のある映画

     観終わった直後の感想は、「素人っぽい作品だな。」というものだった。文句が言いたい箇所がたくさんあった。 ・全体の中の1カット1カットのあり方があまりうまくはまっていない気がする。 ・暗く見づらい画面が続く中での光が差し込むカットの見...  続きを読む

  • comecomeさんのレビュー   2009-03-01 23:03

    芸術的作品 

    はじめてこんな映画をみたというか… なんともいえない作品だとおもいます。 好き嫌いがはっきりしそうですねぇ~ww 今回試写会で観た作品”『ゼラチンシルバーLOVE』”です。 写真家、クリエイティブディレクター 操上和美氏さんの初監督作...  続きを読む

  • ひなのさんのレビュー   2009-03-02 01:54

    ゼラチンシルバーLOVE

    開始前に、放送で、 監督と出演者の舞台挨拶がどうのこうのと言っているのを聞いたんだけど…結局何も無かった・・・ 全部聞き取れなかったから、勘違いなのかしら?でも、当日に関係ない放送ならしないね?? ま、いっか(笑) 写真家の監督...  続きを読む

  • ほたるさんのレビュー   2009-03-02 23:35

    「ゼラチンシルバーLOVE」

    「ゼラチンシルバーLOVE」を鑑賞しました。映画が始まってから役者が会話する シーンまでいかに長いことか。それからも会話はほんのわずか。日常ではほんの 小さな音がとても際立って演出される。音楽は耳障りとも感じられる旋律。徹底 した美学。 そし...  続きを読む