骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2010-02-27 11:26


明日終了!入場無料の展示からゴダール、寺山修司のドキュメントまで一挙上映中の「第2回恵比寿映像祭」

第2回の開催となる今年は、“歌をさがして”というテーマで【展示】【上映】など5つのセクションに分かれて開催中。
明日終了!入場無料の展示からゴダール、寺山修司のドキュメントまで一挙上映中の「第2回恵比寿映像祭」
《デュエット》2009/作家蔵[参考図版]

第2回恵比寿映像祭“歌をさがして”が現在、東京都写真美術館を中心に開催されている。「展示」「オフサイト展示」「上映」「カフェプロジェクション」「イヴェント」の5つのセクションに分かれ、“歌”をテーマに40以上の作品が10日間にわたり上映されている。映像の豊かな可能性を楽しみながら、作り手、受けて、そしてその間に立つ担い手が、それぞれに求めるオルタナティブな価値を、ともに育み交歓する場を創造することを目指し開催されている同映画祭。5つに分かれた各セクションから、本日=27日(土)・28日(日)に観ることができる作品のダイジェストと、同映画祭ディレクターの岡村恵子氏のコメントを紹介!

すぐには消費しづらい作品も多く含まれているにも関わらず、去年にも増して熱心な観客が集ってくださっている実感がある。回を重ねるごとに課題も増えていくが、美術館ならでは、恵比寿映像祭ならではのフェスティバルのありかたを、作り手、受け手そして、その間をつなぐ多くの担い手の方々と主に、見出していきたいという思いを新たにしている。
(東京都写真美術館学芸員/恵比寿映像祭ディレクター 岡村恵子)


展示

東京都写真美術館3つの展示室をフルに使って、“歌をさがして”という主題のもと、多彩な映像作品が集う。入場無料。

■ジョナス・メカス
《静止した絵画フィルム:従兄弟のアンソニー・ラジウィルに内緒話をするJ.F.ケネディJr.1971年夏》

1950年から自分の家族や友人、身近な風景を対象に「日記映画」というスタイルを生んだ実験映画界の先駆者であるジョナス・メカスによる作品を展示。

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ジョナス・メカス《静止した絵画フィルム:従兄弟のアンソニー・ラジウィルに内緒話をするJ.F.ケネディJr. 1971年夏》チバクローム・プリント/東京都写真美術館蔵

■ミン・ウォン
《馬来四伝(For Malay Stories)》

多民族国家シンガポールに育ったミン・ウォンによる、自作自演のビデオ作品で、往年のマレー映画の名作を再演する。

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ミン・ウォン《馬来四伝(Four Malay Stories)》(2005)のためのビルボード作家蔵/[参考図版]

■都築響一
《デュエット》

“レザーカラオケ、それは3分間の人生劇場だった—”。メディアの変遷とともに失われつつあるひとつの映像世界を再現する。

■生西康典+さや(テニスコーツ)+山本精一+ククナッケ+AO+小町谷圭+稲荷森健+山元史朗+並木大典+掛川康典ほか
《おかえりなさい、うた―Dusty Voices, Sound of Stars》

生西康典を中心に多彩なメンバーが結集。同映画祭のために音声による新作インスタレーションを発表する。

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《おかえりなさい、うた―Dusty Voices, Sound of Stars》[新作]

その他出展作家……フィオナ・タン、エンネ・ビアマン、アンリ・カルティエ=ブレッソン、アルフレッド・ジャー、ティム・リー、山城知佳子、アンダース・エドストローム、ヴィト・アコンチ、ナム・ジュン・パイク、タシタ・ディーン、ポール・マッカーシー&マイク・ケリー、ジョン・ケージ、都築響一、カタリーナ・ズィデイラー、高嶺剛


オフサイト展示

恵比寿ガーデンプレイス・センター広場、渋谷センター街周辺の街頭ヴィジョンで上映。

■藤本隆行・真鍋大度・石橋素
《Time Leaps Plant/偽加速器2010(4 Rings+Artificial Plant+Beans video)》

恵比寿ガーデンプレイスの心臓部、センター広場に、LED照明による光と音のインスタレーションを展示。

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藤本隆行/真鍋大度/石橋素《Time Lapse Plant/偽加速器》 2009年

■山城知佳子
《アーサ女》2008(特別編集版)

渋谷周辺の7つの大型ヴィジョンで、山城知佳子の作品を上映。渋谷センター街の雑踏が、沖縄の海へと接続される。

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山城知佳子《沈む声、紅い息》2010/未定[新作]

上映

■映像と音響の歴史から―J=Lゴダール《あるカタストロフ》
坂本龍一+高谷史郎《LIFE - fluid,invisible,inaudible...》

坂本龍一のオペラ《LIFE》の厖大な素材をもとに制作されたインスタレーションからDVD用に再編成された映像作品をシネマ上映。《映画史》の手法でファウンドフッテージを用いた、ゴダール《あるカタストロフ》とあわせて、映像と音響のアーカイヴを再検証する。

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ジャン=リュック・ゴダール《あるカタストロフ》2008/1分
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坂本龍一+高谷史郎《LIFE - fluid, invisible, inaudible ...》2008/90分

27(土)・28(日)に観ることができるその他の作品……歌をさがして―「フィオナ・タン、アルフレッド・ジャーの世界」、「リズム!オーストリア実験映像選―G・ドイチュ、P・チェルカススキー、V・ヴィードリッヒほか」、「孤独な惑星より:実験映画の最前線―ウテ・アウラント、オリボ・バービエリ。フィル・ソロモンほか」、「ミュージック、サウンド、そしてショートフィルム:世界映像祭」「拡張するドキュメンタリー:日本若手作家特集―佐々木育野、越田乃梨子、川部良太」、「特別上映+シンポジウム テレビの時代再考―寺山修司のドキュメント《あなたは…》」


カフェプロジェクション

■デイヴィット・テュードア、ダン・グレアム、ボアダムス、金沢健一、牧野貴、川瀬慈、ホレホレ節、映画保存協会、IMAGICAウェスト、大阪芸大玩具映画プロジェクトほか

美術館2Fロビー吹き抜けに300インチの巨大スクリーンを設置し、会期中、テーマにあわせた映像作品を随時展示上映。


イヴェント

■都築響一 レクチャー
「レーザーカラオケ、それは3分間の人生劇場だったー。」

2月27日(土)14:00-15:30に、地下一階展示室にて開催。一曲一曲が3分間の短編映画である“レーザーカラオケ”。メディアの変遷とともに失われつつある映像世界を、都築響一が展示と連動したレクチャーで再考する。


『第2回恵比寿映像祭』
開催中~2月28日(日)

会場:東京都写真美術館
東京都目黒区三田1-13-3
開館時間:10:00~20:00
料金:【展示】【オフサイト展示】【カフェプロジェクション】無料
【上映】前売り 900円、当日 1,000円
【イヴェント】前売り 400円~1,800円、当日 500円~2,000円(プログラムによる)

※その他詳細は公式サイトから

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