骰子の眼

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東京都 目黒区

2010-08-02 19:53


『オノデラユキ 写真の迷宮(ラビリンス)へ』5組10名様をご招待!!

写真表現の可能性に果敢に挑戦するオノデラの9 シリーズ60 点を展観。
『オノデラユキ 写真の迷宮(ラビリンス)へ』5組10名様をご招待!!
「アニューラ・エクリプス」 2007

パリを拠点に世界的な活動を続ける写真家オノデラユキの展覧会『オノデラユキ 写真の迷宮(ラビリンス)へ』が東京都写真美術館で開催されている。

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「古着のポートレイト」 1994-1997

まず通常の写真展のつもりで今回の展覧会に行くと驚く人もいるかもしれない。彼女の作品はそのどれもが所謂「写真」という概念を超えているからだ。

例えばカメラ自体に細工をして作品を創ったり、ある時は様々なコラージュ手法を駆使したり、またある時は写真を仕上げるために自分の手で油彩したり。彼女の頭の中で熟成されたそのアイディアを実現するために取られる方法は驚くほど様々で、各作品の解説を読みながら作品を観ていくと唖然とすることが多い。

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「真珠の作り方」2000-2001

例えば初期の代表作品といわれる「古着のポートレイト」はパリのアパートから見える空を背景にフランスの美術家クリスチャン・ボルタンスキーが死の象徴とした古着を撮影したもの。幾種の古着が空に写された様は一見不思議な感覚を引き起こすが、決してそこに違和感は無い。カメラに小さなビー玉を入れて撮影することによって上部にぼんやりとした白い玉を写した「真珠の作り方」は、カメラそのものの可能性を考えさせられる作品だし、被写体の顔のみをモザイクで覆い隠すように描かれた「11番目の指」は被写体の自然な動きとそのエキセントリックさの対比が強烈な印象を残す。

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「11番目の指」 2006-2010

いずれの作品も入り口はあくまで写真だが、それぞれかなりの情報量を伴い、作品的な深度がある。各々の作品を観ていると、この写真展のタイトル通り、まるでオノデラの頭のなか─迷宮─に引き込まれていくかのようだ。その世界は日常の風景を捉えつつもどこか不思議なユーモア感覚があり、ファンタジーでありながらも圧倒的にクール。こんな独自の世界を体験出来るのはそうそうない。

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「窓の外を見よ」2000

彼女はいう。

「どんなことをやっても“写真である”ということからは離れられないですね。私の作品には写真らしくない作品もありますが、すべて“写真である”ということが関わっています。写真というのはそもそも制約が多いメディアだと思うんです。例えば絵画に比べれば、そもそもカメラ自体を使わなければいけないことや、レンズやフィルムの感度の限界ということも含めて制約が多い。でもその制約こそがある意味で写真の本質から離れられないものでもあるし、その限界こそが私のコンセプトに替わるものなんです」。

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作品の前で語るオノデラユキ

「日本では若い世代だと写真をストレートに撮るというのが多いですね。みんな“何を撮るか”ということが重要で技術的な事をいろいろやってみたり、もっと作品的に大きいものを見せたりというのがあんまりない。割と写真らしい写真が多い。それは特に日本的な気がします。例えば韓国に行くと若い人でももうちょっと造形的な写真が多いんです。そうなると私の写真は日本では異端とされそうな気がしますけど、学生の方々にはこんな写真もあるんだと分かって頂く機会にはなるかと思っています。やった事の無い事をいろいろやってみたいんです。例えば写真の上にニスを塗る事もあるし。仕上がりも前と同じものだったらつまらなくなってくるので、いろいろな方法を探りながらやってます」。

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「12 Speed」 2008

「写真」という一般的概念に収まりきれないその視覚世界。是非若い世代も体験して欲しい。

(文・中村 慎)


『オノデラユキ 写真の迷宮(ラビリンス)へ』
開催中 ~ 9月26日 ( 日 ) 東京都写真美術館

会場:東京都写真美術館[googlemaps:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
料金:料 金:一般 700(560)円/学生 600(480)円/中高生・65歳以上 500(400)円
※( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引/ 小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/東京都写真美術館友の会会員は無料/第3水曜日は65歳以上無料
開館時間:10:00-18:00(木、金は20:00まで/入館は閉館30分前まで)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館)

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『オノデラユキ 写真の迷宮(ラビリンス)へ』
に5組10名様をご招待!!

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