骰子の眼

cinema

東京都 新宿区

2010-10-30 18:40


『アンヴィル!』『ソウル・パワー』をもう一度劇場で!話題の映画専門チケット共同購入サイト「ドリパス」

創設者、五十嵐壮太郎さんに聞く「現状の映画のマーケットの課題である日本のコンテンツユースや輸入について、映画館とユーザーの声という視点に立って逆から攻めたい」
『アンヴィル!』『ソウル・パワー』をもう一度劇場で!話題の映画専門チケット共同購入サイト「ドリパス」
ドリパスで共同購入者募集を募集している映画『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』(左)[(c)Ross Halfin/ANVIL! THE STORY OF ANVIL] そして『ソウル・パワー』(右)

よりニーズのある人たちに届けられるプロモーションをしていきた

──現在、『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』と『ソウル・パワー』の2作品が新企画として進行中の話題の映画専門チケット共同購入サイト「ドリパス」。創設者の五十嵐壮太郎さんにお話を伺った。

──「ドリパス」とは何か?

一言で言うと、映画チケットの共同購入サイトという言葉に尽きるかなと。当たり前なんですが、今までは興行側がある作品を公開すると決めて、劇場を押さえ、当日まで何人入るかわからないっていうのが通常の興行だったと思うんです。そのフローを変えた形、やるかやらないかというのをユーザーに、その上映の可否を委ねるというか、それが一番のドリパスの特徴かなと思ってますね。

──始めたキッカケは?

キッカケというのは、これといっては実はないんですが、何か色んなことが重なって行き着いた場所っていう感じです。僕は前職が博報堂という広告会社にいたんですが、段々ちょっと大きい会社ってどうなの?みたいな、よく抱くような思いもありつつ、広告に限界を感じていたというか、やっぱり博報堂とか電通もそうなんですけど、企業目線というかスポンサーありきなんですね。企業がクライアントなので。そこからお金を頂いて、すでに企業が作ったものをどう見せてくかっていうのが仕事だったので。一旦立ち位置を企業側からユーザー側に立ったサービスを作りたいなっていうのは何となく考えていました。

webdice_ドリパス
ドリパスのトップ画面。

──完全にユーザー基本のサービスということですね。それで実際に始められてみてどうですか?

現状で言うと、思った以上の反響があって、実はまだサービスをオープンして3か月くらいなんですね。オープンしたのが8月17日なので、3か月ちょいですね。今のところ、チケット枚数も1,000枚くらい売れて、テレビも各キー局のみなさんに取り上げて頂いたりとか、思った以上の反響がありました。とはいえまだ、(ついさっきまで掲載されていた)ガメラの企画がぎりぎり、本当に最後までわかんなかったんです。70枚で無事に成立したんですけど、やっぱりまだガメラファンにリーチできてないなという思いもあります。本当はガメラファンはもっと沢山いると思うので、もれなくそういうニーズのある人たちに届けられるようなプロモーションとか認知展開っていうのはしていかなきゃいけないと思っています。

──最後に今後の展望をお聞かせください。

さっき共同購入という話をしましたが、これはつまりリスク分散装置なんですね。例えば一つの映画を作る上で、すごく世の中に求められている作品なんだけども、誰かがすごいリスクを背負わざるを得ない状況じゃないですか。例えば、『ソウル・パワー』をやるっていうときにアップリンクさんが背負われただろうし、そういうリスクをもっといい形で分散させて、よりコンテンツが回っていくような装置としてやっていきたいなと思っています。
具体的に例えばいま旧作上映という形なんですけど、それこそ有名な監督の新作や例えば200万円あればショートフィルム作れるんだけどっていうところも、本当にファンの方が5,000円で400人集まったら初めての試写のチケットとして買ってもらうとか、そういうのもやっていきたいなというのはあります。あとは、グローバル展開ですね。やっぱり中国とかインドとか凄く映画が盛んで、そういうところで同じドリパスのスキームで現地の映画館でやって、映画館の提携先がグローバルになっていくと、そこで上映する作品をコンテンツ交流というか、そういう風にする場所にもしていきたいなと思っていて。そうすると現状の映画のマーケットの課題、日本のコンテンツユースだったりとか、輸入だったりという。そこは特定の買い付けというところですごいリスクがあるんだけども、先に映画館とユーザーの声という視点に立って逆から攻めるというか、そういうのもしていきたいなと思っています。

(インタビュー・文:新井正晃)

webdice_五十嵐壮太郎

■五十嵐壮太郎 プロフィール

1982年生。東京都出身。 幼少期、フランス、ベルギーと海外での生活を送る。 小学校卒業と同時に帰国。 2006年、一橋大学経済学部卒業後、株式会社博報堂に入社。営業職として、大手出版社、新聞社、通信キャリア等担当。 コンテンツビジネス、企業の広告戦略立案から実施まで幅広く担当する。2010年3月、株式会社博報堂を退社。2010年7月、株式会社ブルームを設立。代表取締役に就任。2010年8月 世界初の映画チケット共同購入サイト「ドリパス」を立ち上げる。
twitter




ドリパス 『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』『ソウル・パワー』

掲載期間は11月2日(火)16:00まで。詳しい購入方法は公式サイトをご確認ください。
会場:新宿バルト9
料金:2,000円
当日は五十嵐さんがアップリンクの浅井隆を迎えトークショーを行います。


anvil_lipsandrob
(C)Brent J. Craig/ANVIL! THE STORY OF ANVIL

映画『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』

監督:サーシャ・ガバシ
出演:スティーヴ・“リップス”・クドロー(ANVIL)、ロブ・ライナー(ANVIL)、ラーズ・ウルリッヒ(Metallica)、レミー(Motorhead)、スコット・イアン(Anthrax)、スラッシュ(元Guns N'Roses/Velvet Revolver)、トム・アラヤ(Slayer)ほか
配給:アップリンク
2009年/アメリカ/81分
公式サイト
公式twitter
公式MySpace



webdice_soulpower_005

映画『ソウル・パワー』

監督:ジェフリー・レヴィ=ヒント
出演:モハメド・アリ、ジェームス・ブラウン、B.B.キング、ビル・ウィザース、ミリアム・マケバ、他
配給・宣伝:アップリンク
アメリカ / 93分 / 2008年 / カラー / ドルビーSRD / 英語、フランス語、他
公式サイト
公式twitter



レビュー(0)


コメント(0)