1926年あるいは1927年 日本 東京 堀切の酒屋の開店 (c)Musée Albert-Kahn - département des Hauts-de-Seine.
フランスの大富豪であり、20世紀初頭に当時の最先端技術であった天然色写真で世界の風景を記録し続けたアルベール・カーンの日本初となる写真展が2月2日(水)より神奈川県立地球市民かながわプラザで開催されている。
およそ100年前、世界を移動する手段も未発達だった時代に、カーンは平和を築くために世界60カ国にカメラマンを派遣し、各地の日常のくらしや風俗、自然そして建物などを記録させた。
今回行われる『写真展 The Archives of the Planet 100年前の世界へ~アルベール・カーン 平和への願い』は、アルベール・カーンが世界平和と友好の思いから、数十年かけてつくりあげた「地球史料館~The Archives of the Planet ~」というアーカイブ72,000点の中から構成。
カーンの生きた時代、そして、現在では失われつつある民族性豊かな世界のくらし、独特の民族衣装、日常を生きる人々の姿、戦時の様子、街や自然の風景を捉えた天然色写真約150点と動画を展示する。
【写真上】1912年 フランス パリ エッフェル塔とトロカデロ【写真下】1918年あるいは1921年 インドシナ 現カンボジア シェムリアップ地方 アンコールワット寺院の堀の縁で (c)Musée Albert-Kahn - département des Hauts-de-Seine.
カーンは実業家の渋沢栄一や政治家・大隈重信といった近代日本を代表する人物と交流を深めており、日本に強い関心を寄せていた。今回の展示でも、日本や神奈川県のおよそ100年前の姿を観光名所や庶民の生活から垣間見ることができる。
1926年 日本 東京 ある通り (c)Musée Albert-Kahn - département des Hauts-de-Seine.
また関連イベントも開催。神奈川大学日本常民文化研究所所長の佐野賢治氏による、実業家・アルベール・カーンと民俗学者・柳田國男それぞれの思想と実践を辿る講演を2月5日(土)に開催。民俗学の観点からカーンの行ってきた活動と現在のグローバリゼーションで失われつつある文化の多様性そして伝承について語られる予定。両者がどのような思いで庶民の生活を記録しようとしたのか、今日の情報通信技術の進歩は庶民の生活記録にどのような可能性をもたらしつつあるのか、興味深い講演となることは間違いない。
1915年 インドシナ 現ベトナム サイゴン劇団の男優と女優 (c)Musée Albert-Kahn - département des Hauts-de-Seine.
写真展 The Archives of the Planet 100年前の世界へ~アルベール・カーン 平和への願い
2011年2月2日(水)~3月13日(日)
会場:神奈川県立地球市民かながわプラザ 3階企画展示室 [地図を表示]
料金:無料
時間:10:00~17:00
休館日:なし
問い合わせ先:Tel.045-896-2121
主催:神奈川県立地球市民かながわプラザ
関連イベント
講演『庶民生活記録への眼差し─アルベール・カーン、柳田國男の目指したもの─』
2月5日(土)14:00~
講師:佐野賢治(神奈川大学日本常民文化研究所所長)
場所:神奈川県立地球市民かながわプラザ 映像ホール
料金:無料(要お申込み)
定員:先着125名様
お申込み方法
(1)イベント名(2)お名前(3)電話番号を明記、または、ご連絡の上、Eメール、お電話、当館受付(1F)のいずれかでお申込みください。
神奈川県立地球市民かながわプラザ(愛称:あーすぷらざ)
指定管理者:財団法人かながわ国際交流財団
E-mail: gakushu@k-i-a.or.jp
Tel:045-896-2899
Fax:045-896-2299
※2月20日、3月6日開催のドキュメンタリー上映『BBC 奇跡の映像 ~よみがえる100年前の世界~』はお申込み不要です。
そのほか関連イベントの情報は公式サイトまで