骰子の眼

art

東京都 目黒区

2011-02-17 23:58


アピチャッポン、シュヴァンクマイエル、黒坂圭太、石橋義正の作品からイマジネーションを広げる─第3回恵比寿映像祭2/18より開催

テーマは「デイドリーム ビリーバー!!」、東京都写真美術館と恵比寿ガーデンプレイスセンター広場を舞台に映像表現の可能性を探る
アピチャッポン、シュヴァンクマイエル、黒坂圭太、石橋義正の作品からイマジネーションを広げる─第3回恵比寿映像祭2/18より開催
石橋義正《ミロクローゼ》2010/90分/配給:ディーライツ (C) 2010「ミロクローゼ」製作委員会

第3回恵比寿映像祭が2011年2月18日(金)より東京都写真美術館を中心に開催。今回も「展示」「オフサイト展示」「上映」「ラウンジトーク」「ライブ・イベント」といったセクションに分かれ、「デイドリーム ビリーバー!!」というテーマの通りアーティストが多様な夢を描き出し、映像表現の可能性を追い求めていく。クリエイターとその作品を受け取る観客、そして両者を繋げていくスタッフや連携する文化施設が一体となり、イマジネーション豊かな映像世界を作り出していく。今回はそのなかからwebDICEが注目する作品・アーティストを紹介する。




■石橋義正

上映

《ミロクローゼ》

《オー!マイキー》やキュピキュピなど、映画とアートを越境する石橋義正の最新作。至高の愛を探す波乱万丈の冒険を描き、めくるめく映像に奔放なイマジネーションがあふれる。

■ヤン・シュヴァンクマイエル

展示

《無題(サヴァイヴィング ライフのためのコラージュ)》

チェコ・アートアニメーションの代名詞ともいえるシュヴァンクマイエルの最新作《Surviving Life》のプレミア上映にあわせて、制作時の習作ほか資料を展示。生涯現役のシュルレアリストが見せる終わらない夢の断片。

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ヤン・シュヴァンクマイエル《無題(サヴァイヴィング ライフのためのコラージュ)》 協力:レン コーポレーション、東京 Jan SVANKMAJER, Collage for Surviving Life Courtesy of the artist

上映

ヤン・シュヴァンクマイエルの夢~最新作《サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生》

現実と夢の世界で二重生活を送る男、その奇妙なオブセッションをブラックユーモアとともに描く。ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映された巨匠シュヴァンクマイエルの最新作。

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ヤン・シュヴァンクマイエル《サヴァイヴィング ライフ-夢は第二の人生-》2010/105分/配給:ディーライツ(C)Athanor


■黒坂圭太

展示

《『緑子/MIDORI-KO』初期段階のキャラクター設定ボード》

繊細さと野蛮さが同居するクロサカ・ワールド。制作10余年を経てついにヴェイルを脱ぐ最新長編アニメーション《緑子/MIDORI-KO》の原画を中心に、奇才の画力と妄想力を知らしめる貴重な作品資料と新作ドローイングを一挙公開。

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黒坂圭太《『緑子/MIDORI-KO』初期段階のキャラクター設定ボード》[参考図版] 1999年/紙にペンと鉛筆/作家蔵 / 協力:ミストラルジャパン、東京

上映

変形する奇才―黒坂圭太 最新長編アニメーション《緑子/MIDORI-KO》

10余年の歳月をかけて奇才・黒坂圭太が、独力で描き上げた渾身の最新長編アニメーションがついに完成。謎の新植物MIDORI-KOをめぐり、繰り広げられる幻想と欲望の狂詩曲。

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《緑子/MIDORI-KO》2010/55分 《MIDORI-KO》2010 / VTR (standard, 4:3), sound, color / 55min. / Japan / Japanese subtitled in English



展示

3F、2F、地下1F展示室と3つの空間をフルに使って、様々な作品で構成。入場無料。

■アピチャッポン・ウイーラセタクン
《窓》

《ブンミおじさんの森》2010年カンヌ映画祭最高賞を受賞したウィーラセタクン監督の初期ヴィデオ作品を、インスタレーションとして初公開する。初めてのヴィデオ撮影で、偶然に見出されたのは、メディアが結ぶファンタジー。

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アピチャッポン・ウイーラセタクン《窓》1999年 Apichatpong WEERASETHAKUL, Windows, 1999. Courtesy of the artist

■松本力
《終わりを照らすもの》

手描きによるコマ撮りアニメーションで、知られる松本力。目下制作途上の長編アニメーション大作「終わりを照らすもの」の創作過程から生み出される思索と妄想の断片を、インスタレーションとして展示します。

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松本力《終わりを照らすもの》2010/Take Ninagawaでの展示風景/[参考図版] 協力:タケニナガワ、東京 MATSUMOTO Chikara, That which illuminates the end 2010 / installation view at Take Ninagawa / reference

■ハルン・ファロッキ
《シリアス・ゲーム3:没入》

映像技術の多くは軍事目的で開発されてきた。長年にわたり視覚とメディアの政治学を問うてきたファロッキは、ひとつの技術が、戦争を準備するためにも、従軍により傷ついた兵士の心を癒すためにも用いられている様に注目する。

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ハルン・ファロッキ《シリアス・ゲーム3:没入》2009年/2チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション(DV PAL、サウンド、カラー)/アーティスト・プルーフ Harun FAROCKI, Serious Games 3: Immersion 2009 / 2-channel video installation(DV PAL, sound, color) / artist proof

その他出展作家……ダヴィッド・クレルボ、水越香重子、森弘治、ダニエル・クルックス、ハヴィア・テレーズ、タニア・ルイス・グティエレス、ローレンス・ジョーダン、スーパーフレックス、しりあがり寿、ツァオ・フェイ


上映

1Fホールでアーティストに焦点を当てた特集や新作上映、異なる分野を横断するテーマ的プログラムなど幅広いラインナップ。有料。

■ある場所、ある時間
ジェームズ・ベニング 《ルール》

"アメリカを撮り続けてきた16mm映画の巨匠・ベニングが、国外で初めて挑んだ、最初のデジタル映画。 'みること'から、時間と場所をどのように体験するのか。ドイツのルール地方を舞台に、7つの固定カメラのロングショットが問いかける究極の121分。

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ジェームズ・ベニング《ルール》 James BENNING, Ruhr, 2009 ⓒJames Benning Courtesy schaf oder shcarf film

■ザ・サード・ライフ
――ツァオ・フェイ/ジュン・ヤン特集

セカンド・ライフ上の仮想都市《RMBシティ》プロジェクトで知られるツァオ・フェイと、独自の距離感を保ちながらアジアの各都市を舞台に映像を次々と手がけるジュン・ヤン。アジアの実力派2人の特集。

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ジュン・ヤン(楊俊)《ソウル・フィクション》2010年/ヴィデオ、サウンド、 カラー/15分/韓国 Jun YANG 《Seoul Fiction》2010/Video, sound, color/ 10 min. / Korea

■ メディアが結ぶ夢
―E.=Jマレ、R・グラハム、K・ジェイコヴス、園田枝里子、牧野貴

ジュール=マレから牧野貴まで――。メディアを介することで結ばれる夢のごとき光景や、静止画の集積から生成する映像を特集。

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牧野貴《still in cosmos》2009/18分 MAKINOTakashi 《still in cosmos》 2009 / HD, sound, color / 18min. / Japan / Music: Jim O'Rourke

オフサイト展示

恵比寿ガーデンプレイスの中心にあるパブリックスペース、センター広場で上映。入場無料。

■ダニエル・ワイルド+アルバロ・カシネリ
《見えないスカートと想像上のものたち》Platform 3 ダンスデモンストレーション

ダニエル・ワイルドとアルバロ・カシネリの最新プロジェクト《見えないスカートと想像上のものたち》に付随して、気鋭のダンサー/振付家と協働で取り組む、デモンストレーションとしてのダンス・パフォーマンスを行います。夕暮れから辺りが暗くなるにつれ、ダンサーの身体の動きに反応した光が動き出します。ジャンルを越えた画期的な試みであり必見です。

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ダニエル・ワイルド+アルバロ・カシネリ《見えないスカートと想像上のものたち》青木尚哉+アレッシオ・シルヴェストリン リハーサル風景 Danielle WILDE + Alvaro CASSINELLI In-visible skirt and other imaginary things AOKI Naoya+Alessio SILVESTRIN in rehearsal Photo:Alvaro CASSINELLI

●Platform01 体験型作品「光らせん Corasen」
光と霧によるインタラクティヴな環境インスタレーション「光らせんCorasen」をセンター広場に期間中展示。突然嵐がおこったり、光が見え隠れしたり、先端のテクノロジーをもちいた想像上の自然現象を、日中の時間帯と気候の変化によって体験できる空間が出現します。夕方になると、「光らせんCorasen」はダンス・デモンストレーションのための空間へと変化していきます。

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ダニエル・ワイルド+アルバロ・カシネリ《光らせん Corasen》[参考図版] Danielle WILDE + Alvaro CASSINELLI Corasen

●Platform02 □体験型デモンストレーション
作家が《見えないスカートと想像上のものたち》を使って、屋外のインスタレーション作品のなかでデモンストレーションを行いレーザーを用いた作品の魅力にじかにふれていただきます。

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ダニエル・ワイルド+アルバロ・カシネリ《見えないスカートと想像上のものたち》[参考図版 Danielle WILDE + Alvaro CASSINELLI In-visible skirt and other imaginary things

●Platform03 ダンスデモンストレーション
□ダンス・デモンストレーションI
アレッシオ・シルヴェストリン+青木尚哉
□ダンス・デモンストレーションII
KENTARO!!




▼第3回恵比寿映像祭メディアアートプロジェクト リハーサル風景vol.1


▼第3回恵比寿映像祭メディアアートプロジェクト リハーサル風景vol.2





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『第3回恵比寿映像祭』
2011年2月18日(金)~2月28日(日)

会場:東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイスセンター広場ほか
東京都目黒区三田1-13-3 [地図を表示]
開館時間:10:00~20:00
料金:【展示】【オフサイト展示】【ラウンジトーク】無料
【上映】前売900円、当日1,000円
【シンポジウム、レクチャー】前売400円、当日5,000円
【ライブ・イベント】前売2,00円、当日2,500円

※その他詳細は公式サイトから

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